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パルフェ

戯画「パルフェ」プレイ日記27 短編3部作 『Parfait au Chocolat』 

PCの調子が相変わらず悪いのでなかなか更新できません。
今日はちょっと機嫌が良いようなので、re-orderで追加されたショートシナリオを。



○curio
キュリオの朝は悲鳴から始まる。
今日出勤一日目の新人花鳥玲愛の髪を自分とお揃いのツインテールにした美里。



美里「ねえ翠さん見て見てっ、ツイン・ツインビームですよっ」
玲愛「違います私は嫌だと言ったのに真名井さんが無理やり私の髪をツインビームにっ………って、そのツインビームとは何ですか?」
ツインビームは大介が言い間違えたのが由来だっけ?ちなみに、この馴れ馴れしいのが玲愛の教育係になる。気の毒な玲愛。

馴れ馴れしさ全開で絡んで来た美里への抗議を込めて、あっさり過ぎるくらいあっさりした自己紹介をした玲愛。しかし、図太いキュリオのメンバーには通じない。あと、驚きの事実。なんと、すずは玲愛と同い年。見えない!見えない!!

キュリオの新人教育は皿洗いから始まる。もっと詳しく言うと、スポンジに台所洗剤を適量含ませて、という説明から始まる。世間知らずな美里仕様。玲愛はバイト経験豊富だからなぁ…。

famille御一行様ご来店。回想シーンでやったのと同じ遣り取り。「ご主人様」「奥様」の遣り取りは、全くただの軽口なんだけどニヤニヤするよね。二階の窓際の席に座る仁と里伽子に恨みがましい視線を送る常連客。

翠「こら香奈子!そんなとこ突っ立って何やってんだよ!?」
香奈子「…いつもの席が空いてない」
翠「あそこはお前専用じゃないの!おとなしく下の席に座ってろ!」

curioが誇るフロアチーフも気の置けない常連客に対しては荒っぽく、本格的メイド喫茶の接客にやや疑問を持ったfamilleの二人でしたとさ。

勤め始めて一週間。あまりに底辺からスタートする新人教育やら、緩すぎるcurioの雰囲気やら、長々と居座ることに全く遠慮を感じさせない常連客やら、イライラを募らせるアッパー系真面目人間花鳥玲愛。バイト経験は豊富だったみたいだもんな。

玲愛「何とかしてくださいチーフ!」
翠「あ~、それとバランタイン、ダブルで。以上、よろしく」
玲愛「ちょっとぉ!話聞いてくださいよ」

愚痴モードの玲愛と飲みモードの翠は噛み合わず、更にそこに図々しいいつもの常連客が加わり、困惑する玲愛。しかし気を取り直し、curioへの不満を翠にぶつける。真面目な玲愛にとって、curioは真剣味が足らない。で、ついでに若店長こと大介のことまで悪く言ってしまい。

香奈子「…よくわかってない人間のこと、そういう風に軽く言うのも良くないことだと思う」
玲愛「え、えっ?」
翠「香奈子…お前、大介が誉められても貶されても機嫌悪くするのやめろって」

玲愛はこれから約二年後、似たような体験をすることになる。好きな人間が誉められても貶されても不機嫌になる奴というのは意外といるものだ。詳しくは「○11/17 里伽子VS玲愛(里伽子通常)」で。

で、玲愛の不満とは関係ないところで。翠が二号店に行くことについて香奈子と翠が緊迫。この話は誰のルートの未来なんだろ。誰のルートでもない、大介争奪戦(笑)が続いている状況か?

curioの本当の凄さは営業時間内には分からない。次の営業日に一時間早く来てみて、一時間遅く帰ってみろと言われた玲愛は、次とは言わずその日のうちに既に閉店したcurioを訪れる。時刻は既に0時を回っている。美里に捕まる玲愛。美里はもう終電が無いからと自宅に泊まることを提案して、玲愛を連れて銭湯へ。そういえば美里は未だにあのボロアパートに住んでいるのか。

玲愛「いつも、こんな時間までキュリオにいるんですか?」
美里「わたしだけじゃないですよ。翠さんやさやかさんも結構いるし、大介さんなんか、夜中の2時とか平気なんですから」

キュリオの面々の隠れた努力をしる玲愛。この美里でさえ、残って練習をしているという。そう考えると、キュリオってファミーユ以上のブラック体質だな。まぁ、そこそこレベルにチェーンとして成功している飲食店にはありがちだが。

美里「真剣に働いてませんよ?」
玲愛「へ…?」
美里「みんな、真剣に楽しんでます」

curioの基本は仁や里伽子が言っていた通り「道楽」であって、そこでは店員すらもせかせかしない。「ご主人様」であるお客様に贅沢で、楽しくて、余裕のある時間を過ごしてもらうため。いや、店員たちがその辺りに自覚的かどうかは分からないが。



美里を評して<一生懸命を、額に汗せず実行する、玲愛とも、彼女の“天敵”とも微妙に違う人>としているけれど、上手いな。由飛と美里、二人の似て非なる点が良く表れている。




翌朝、遅刻して現れる玲愛。良くも悪くもcurioに染まってきたのかもしれない。髪型は、美里を認めたことを示しているのか“ツイン・ビーム”に。名前の呼び方も「真名井さん」から「美里さん」へ。






○famille
今日は仁の20歳の誕生日。風邪をこじらせて寝込み、欠勤。仁が心配で仕事どころではない恵麻。それを宥める里伽子とかすり。

恵麻「世界でたった一人の弟が苦しんでるのに、何もしてあげられないなんて…」
里伽子「大丈夫です。弟なんてあたしには一人もいません」
かすり「あ、わたしも弟はいないな~」

里伽子やかすりも、仁が心配でないわけではないが、常識的反応として恵麻ほど取り乱しはしない。淡々と仁が欠けた状況に合わせて準備を進める。夕方からは明日香が入るということだが、それまでフロアは里伽子一人。

かすり「それはまた…無味乾燥な店内になりそうね」
ご尤も。里伽子自身も否定しないww

curioの結城父子が来店。男二人連れで次々に菓子を平らげる光景は異様だけど、流石の里伽子は顔色一つ変えないし、眉一つ動かさない。

大介「な、なぁ、ちょっと待ってくれ親父」
誠介「ん?あの娘は好みか大介?偶然だな、私もだ」
大介「いや好みだけどそういう問題じゃなくてだなぁ」
香奈子のようにクールで掴み所がなく、翠のように有能で気が利く。凄いスペックだけど、大介なら二重に尻に敷かれそうで恐ろしいな。

抜け殻状態の恵麻。呆れるかすりと里伽子。
かすり「仕方ないって。一度弟離れしようとしたけど、壮絶に失敗したんだから」
里伽子「リバウント…か」
これは一人との結婚のことを指してるんだな。

かすり「でもさぁ…恵麻さんの甘さも問題だけど、リカちゃんの冷たさも問題だと思うけどなぁ」
里伽子「冷たい、かな?」
かすり「あんた仁くんの彼女でしょう?」
里伽子「誰がそんなことを?」
かすり「状況証拠しかないけど…」
里伽子「自白もなしじゃ、有罪は難しいかもですね」

裁判員裁判の導入以降、その辺の認定はますます厳格になされていて…っていやいや、あと、状況証拠を積極的にさり気なく広めてるのは里伽子自身である。

かすり「わたしは…やっぱり寂しいなぁ。ファミーユには仁くんがいないと」
里伽子「公園に遊びに来たら、遊具がなくなってた心境?」
かすり「毎日毎日飽きもせずにからかってるのも、深い愛情の裏返しとか思わない?」
里伽子「仁を愛してる、と?」
かすり「だったらどうする?」

冗談っぽく言うものの、案外かすりは嘘をつかないんですよね。で、かすりの攻撃をさらりと受け流し、ちゃっかり恵麻の世話を押し付ける里伽子。上手いな。

かすり「う~ん、尻尾出さないなぁ」
尻尾を出す、って言葉はタヌキかキツネですけど、里伽子はどっちかな?

ショーケースの空き具合が段々とやばい状況になってきて、やっとかすりは恵麻の説得に乗り出す。結城もとい幽鬼のような恵麻。仁は元々身体が弱かったから、恵麻としては心配で堪らない。

かすり「いや、だから死にゃしませんって。きっとただの風邪ですよ」
恵麻「誓える?仁くんは大丈夫だって未来永劫誓える!?」
かすり「いや、将来を誓えと言われても………いいんですか?」
恵麻「都合のいい聞き違いしないでよ!」
やっぱ、良いキャラだなぁ、かすり。

curio御一行様を送り出した三時半頃、やっと現れた救世主こと雪乃明日香。えーと、浪人していなければ20歳の誕生日を迎えるのは大学2年だから、当時はまだ明日香は高一なのかな?

明日香「あ~もうっ、なんで連絡入れてくれなかったの?そしたらバイト休んでお見舞いに行ったのに~」
かすり「明日香ちゃん…あんたってやっぱ…いいコねぇ」

いやいや、明日香にだけ抜け駆けを許すだなんてとんでもない。これに続く“今日一日、スれた里伽子と丁々発止のやり取りをしていたスれたかすりは、そんな明日香の頭をいとおしげに何度も撫でた。”って一文がとても好き。

主役がいないようではバースデーパーティは延期になりそう。取り敢えず、明日香が入って余裕が生まれるわけだし、閉店と同時に恵麻を帰してやろうか、なんて話をしていたら…。

明日香「里伽子さん、さっき帰ったもん」
かすり「はぁ…?」
明日香「わたしがシフトに入ったのと同時に。『急用があるから後は任せた』って」
かすり「はぁぁぁぁ?」

恵麻「ケーキ…仁くんのバースデーケーキがぁぁ…」
フロアからは里伽子が消え。そして、キッチンからはバースデーケーキが消えていた。取り乱す恵麻。状況が理解出来ない明日香。何かに気付いたかすり。

『えっと、それはきっと、リカちゃんがくすねて、一人抜け駆けして仁くんのところに行ったんだと思います』
答えには辿り着いたが、その後の恵麻の反応を考えたら言えるはずもない。笑

かすり「あ…あのタヌキ…」
なるほど、里伽子はタヌキか。尻尾を見せたと思ったら、その尻尾は切れていて、本体は既に逃げ去っている。“トカゲの血の入った、タヌキ”とは上手いことを言う。



夏海里伽子は賢い女です。仁以外の人間の前で仁に対する愛を示すのは、自分の縄張り(笑)を明確にするためで、それを示さないのは、それはそれで意味があって。溺愛の恵麻、悪知恵のかすり、積極性の明日香が束になっても、なかなか敵わない。





○つまんない恋
ファミーユブリックモール店、開店直前の話。

・由飛
偶然、風に飛ばされてきたチラシの直撃を顔に受ける花鳥由飛。彼女の天才的な感性が、そのチラシの文字列に反応した。
『欧風アンティーク喫茶ファミーユ、ブリックモールにオープン』
『ただ今、オープニングスタッフ募集中』


・里伽子
仁「その…ごめん」
里伽子「何が?」
パルフェファンならこの二言だけで何だったのか分かるはず。10月9日昼、丁度四ヶ月ほど前の夢を見ていた夏海里伽子が目覚める。やっぱ大事な思い出なんだろうなぁ。



里伽子さんのセクシーショット。胸ありすぎじゃないですか?裸Yシャツってベタですけど良いですよね。パルフェのCGでは一番好きかもしれないなぁ。右手で左手の手首を掴んで伸びをしているところに注目。

里伽子「あの、馬鹿…」
カレンダーの翌日の欄には赤丸と開店の文字。彼女が何度止めても聞かなかった無謀な馬鹿の店が、ついに明日開店を迎える。呆れと愛しさと、色々が同居する複雑な表情。

里伽子「馬鹿にでも…会いに行くか」
確かに複雑だけれど、里伽子の声は明るい。例えそれが悲恋だとしても、彼女にとって、馬鹿の顔を見ることは習慣であり、力の源であり、彼女の存在にとって不可欠な行動なのだ。

ラベンダーの香水をつけて、出かける。初めて気づいてもらえた彼女のおめかしであり、里伽子ルートの「家族にしかわからないこと」で、明日香が「気合入ってる」と評したものでもある。敢えて一言でまとめるなら、未練たらたらな証。

“つまんない恋…ずっとしてたかった”
普通の大学生が普通に出会って普通に恋に落ちて。ドラマにも小説にもゲームにもならないような、何の変哲もない恋を2年続けて、幸せを掴みかけたところで掴む手を失ってしまった里伽子。普通に幸せに、なりたかったよね。


・恵麻
珍しく朝早くから位牌に手を合わせる恵麻。
「仁くんが…ファミーユをまた立ち上げちゃうんだって…どうしよう?」
内容とは裏腹に明るい声で一人に相談する。

仁がやっていることを一人は喜ぶのか。自分が仁に協力するとしたら一人は喜ぶのか。自分はどうしたら良いのか。勿論返事はないが、恵麻の心は安らいだ。

「まだ、許さないけれど………」
「がんばれ、仁くん」

“つまんない恋、まだしてるから”
親戚の、年が近い男の子がちょっと気になってしまうという、麻疹のような恋愛を10年以上経って、大人になっても続けている。いつか、何かの弾みで、叶ってしまうかもしれないという、ちょっとした期待を込めて。



・かすり
久々にの洋菓子作りに試行錯誤のかすり。見た目に反して繊細な性格の彼女にとって、ファミーユの味=恵麻の味を再現することはなかなかに難題で。

「う~ん、う~ん、うう~ん………ちょっと一休み~」

“気分転換が好き”ってのはかすりにあっていて良い。ファミーユのためにどうするのか。師の味を目指すのか、自分のベストを尽くすのか。頭を捻って、答えは出なくて、でもって気分転換に走る。仁が差し入れてくれたミルクセーキを飲み干し、明日への活力を得るかすり。

“つまんない恋かどうかなんて、してみなけりゃわかんないじゃない”
老舗和菓子屋の箱入り娘で家を離れてからは洋菓子作りにかかりきり。恋なんて縁がないまま、性格ゆえに耳の年ばかり食ってきたかすり。目の前にある恋がつまんないかなんて、そんなこと分かるはずもない。分からなくて良い。



・明日香
紛糾する文化祭に向けてのホームルームで槍玉に上げられる委員長の明日香。自分が文化祭に十分関われない理由の説明を余儀なくされる。

去年から家庭教師の先生の姉が経営する喫茶店でアルバイトをしていたこと。四ヶ月前、その店が火事で失われてしまったこと。明日からその店が復活すること。アルバイトへの復帰を決めたこと。その店が、学園祭で再現しようとしているファミーユであるということ。クラスメートから投げ掛けられる批判。そこには家庭教師の先生へのものも混じっていて。

「せんせは…頼んでないもん。仕方なくじゃないもん。わたしが自分で決めたんだもん」
「でもしょうがないじゃん!せんせ頑張ってたんだもん!せんせのためなんだもん!」

全くの私情であることを承知で啖呵を切る明日香。静まり返る教室。沈黙を破る美鈴。暖かい空気へ一変する教室。口の軽い副委員長によって、すっかりクラスに広まっていた『委員長の恋』。その真相を探るための大芝居。

「なんなのこれぇぇぇ~!?」

“恋がつまんないなんて、誰が言ったの?”
女子高生の明日香は、客観など気にしない。彼女にとって重要なのは、バイト先の優しいお兄さんとの仲を深めて、最終的には恋愛へと持っていくことであって、それはつまらないなんてものではない。アタッカー明日香にとって、つまらない恋愛などあろうか。



・玲愛
見た目に似合わない、トラディショナルでポライトな入居の挨拶をしていく玲愛。瑞奈と手分けして一通り挨拶を済ませ、荷物のバラシにかかる。勤勉な奴。玲愛のお隣についてうわさ話を始める瑞奈。

瑞奈「たにむらさんって言うらしいんだけどね、なんでも名門大学に通ってる大学生でさ、ちょっと格好良くて、すっごく感じのいい人なんだってさ」
玲愛「ふぅん、谷村さんね…」

聞き間違えである。谷村と高村はそんなに似ているだろうか。竹村辺りにしておいた方がリアルだったのではないか。どうでも良いか。

どうやら“谷村さん”はたまにプリンを配って歩いたりするらしい。妙な奴。出会いのチャンス?なんて浮かれる瑞奈に釘を刺す玲愛。
花鳥玲愛は仕事人間である。彼女を雇用したcurioは暴力団をも出し抜く恐怖の喫茶シンジケートだ。
(ここまでの2文を仮面ライダーのOP風に読むことww)

“恋なんて、つまんないことやってる場合じゃない”
極めて真面目に、自らの勤勉さだけを武器に世の中を渡ってきた玲愛にとって、恋などというものは余暇に過ぎない。しかしさ、そのつまんないことが自分の中で大きくなってしまった時はどうするの?無理に抑えようとして、それが出来なかったら?仕事だけにコストを投ずる訳にいかなくなった時、仕事人間は真価が試される。



・再び 由飛
夜のファミーユで、勝手に制服を着て、歌っている由飛。新進気鋭のシンガーソングライター花鳥由飛の新曲が完成。
仁「ファミーユへ…ようこそ。店長の、高村です」



“つまんない恋、始まる”
何か、もう一周したくなってしまう一行ですね。由飛と仁の出会いは主に由飛の性格上の問題によって、極めて「つまんなくない」形で―少し恥ずかしい言い方をすると運命的に―始まった。さて、二人の運命や如何に。




いずれも短いんですが、なかなか味わい深いですね。
仁を巡る微妙な攻防戦が繰り広げられるfamilleが好きかなぁ。恵麻、かすり、明日香、里伽子のキャラがそれぞれ立ってるのが良い。いやー、かすりがいると話が盛り上がるなぁ。「いや、将来を誓えと言われても………いいんですか?」とかたまらないですよ。

curioはツインビームじゃない玲愛のデザインが思ったより可愛くないのが残念だったなー。
翠が出てるのが嬉しいけどさ。

「つまんない恋」は二周目をやる前に是非やって欲しいなぁ、と思います。
最後の“つまんない恋、始まる”とか鳥肌モノですよ。


今日はここまで!

戯画「パルフェ」プレイ日記26 里伽子5

さて、里伽子ルートも今日で最後になりました!
思い出して泣いていただければと思います。笑


◯逃がさないようにして
駅前で里伽子を待ち続ける仁。二人の思い出を回想。

回想1 制服の話
里伽子が作ったプロトタイプの制服。試着した里伽子を見て仁が声を失ってるのは、里伽子がとっても可愛かったからってことで良いのかしら?

里伽子「思ったよりスカート短いな…このくらい上げると見えちゃう?」
パンツ見せてしまう里伽子は明日香に負けないアタッカーの才能があったと思うんだよね。明日香と違って外堀から埋めてって徐々に城を絞め上げるようなタイプだけど。


回想2 ブレスレットの話
仕事中もブレスレットを外そうとしない里伽子。仁から仕事中くらいは外せと言われても、意地になって外さない里伽子。

里伽子「や」
仁「チーフのお前がそんなんじゃ、みんなに示しつかないだろが…」
里伽子「やなものは、や」



珍しい里伽子のわがまま。仁のプレセントが嬉しくて、片時も肌身離さず付けていた、という仁の“勘違い”は全くの大当たりなんだろうけど。


回想3 送っていった時の話
出会って二年。初めて仁が里伽子を送った日。

里伽子「そうか…ボーダーは0時だったわけか」
仁「それを認識したからどうだってんだ?」
里伽子「さあ?」
0時を過ぎれば送ってもらえる。これは良いことを聞いた、という感じでしょうか。

里伽子「だってさぁ、部屋まで送ってくれたら、どうしても『お茶でもどう?』って話になるでしょ?」
仁「俺が断ればいいんだろ?いや、そもそもお前が言い出さなきゃいい」
里伽子「あたしが言わない訳ないじゃない。で、仁が断り切れるとも思えない」
仁「う…」
里伽子「それで終電逃したらどうするの?泊めてって言われたら、あたし断れないよ?」

これは「仁にそのつもりがあるなら来い!」ってことだよな。誘ってんだろ。てか「あたしが言わない訳ないじゃない」って何なんだ。「あたしは仁のこと好きだから、当然引き止めるけど」ってそういうことか?そういうことなのか?末永く爆発しろ。

仁「………わかった、帰る」
里伽子「それが賢明」
仁「じゃ、な」
里伽子「うん」
仁「………」
里伽子「………」
仁「………」
里伽子「…行かないの?」
仁「いや、その…」

「行かないの?」に期待がこもってるというか、甘さがあるのが良いなぁ。



キスして「ごめん」って言われて「何が?」と機嫌の良い里伽子。もう、お前って女はなんなんだw



回想4 振られた日の話。
里伽子「ごめん…考えたこともなかった」
仁「な…?」
里伽子「あたし…仁の恋人、って、ガラじゃない」

嘘だ!!!
里伽子さんは嘘をついてる!!

「けど…恋人としては…やだ。」
これは、恋人になるなら一番じゃなきゃ嫌だ。だよね。それを言えないのが里伽子なんだろうなぁ。


0時を過ぎ、終電も行ってしまった。
仁「これが消えたら…帰るか」
里伽子「ここのライトって、夜が明けるまで消えないよ?」
実は既に来ていた里伽子。待ち続ける仁をずっと見ていた。

「あたしってそんな風に見えるのかなぁ?」
「あんたのこと、ベタ惚れだって。口じゃつきあえないとか言ってて、本当は大好きなんだって」
これは里伽子の自白。

「仁は、あたしのこと、本当は好きじゃないのよ」
「あたしが役に立ってるから好きだと勘違いしてるだけ」
「あたしがあんたを構えなくなったら…役立たずになったら、きっといらなくなる」
「何さ、このシスコン。本当は、面倒見てくれる女なら、誰でもいいんでしょ?」
これは、里伽子から仁への叱責。本当に好きなら、どうして自分はいつも二番目なのか。どうしてもっと大事にしてくれないのか。

「もう二度と、あんな痛い思いはしたくない…」
お互いが傷つくことを予見して、恐れて、それでも里伽子は仁に愛されることの魅力に揺れる。仁に言われるまま隣に座って、仁が自分で焼いたケーキを食べ始める。仁に食べさせてもらいながら。

仁「んまいか?」
里伽子「…仁の味がする」



里伽子にキスする仁。半年ぶり二度目。ここのCGで表情を描かないのは、僕は結構好きな演出です。複雑だろう里伽子の表情を想像できるから。

仁「里伽子の味がする」
里伽子「ば…ばっ………かぁ」
仁「んまいな」
くっ、この、仁め、恥ずかしい奴め。

仁「嫌だった?」
里伽子「…あまり嫌じゃないのが嫌だった」

再度のキス。数秒ぶり三度目。

仁「…嫌だった?」
里伽子「しつこいな仁は。何度も同じ事聞かないの。」
そして泣く里伽子。泣くなあああ。こっちも泣けてくる。

仁「里伽子…やっぱり俺…」
里伽子「ああ、いい。その先は別にいいから」
仁「里伽子のことが、好きだ」
里伽子「いいって言ってんじゃない!」

里伽子「あたしはね…あたしはぁ、好きだとか、愛してるだとかいう言葉は、もう、信用しないことにしてるの」
仁「愛してる、里伽子…」
里伽子「人の話を聞いてよぉ」

「嘘だっ!仁は嘘つきだっ!」
里伽子が負った傷の重さを感じさせるとともに、傷つきながらも仁が好きで拒絶しきれない苦しみを感じさせる言葉。

五ヶ月遅れの誕生日プレゼント。恵麻と一緒に、ではなく正真正銘里伽子のためのプレゼント。これは、里伽子にとってはクリティカルヒットで。

仁「もう一度、俺のあげたもの、身につけてくれよ。デザインが気に入らなかったら、別のあげるから、さ」
里伽子「馬鹿…馬鹿ぁ…」


涙ながらに右腕を差し出し、ブレスレットをつけさせる里伽子。

仁「これが、答えだって、そう、思って、いいんだよな?」
里伽子「………」
仁「これって、恋人への贈り物だぞ?お前、それを受け取ったんだぞ?」

はい、来ました!!「だってこれって恋人への贈り物だよ?」ってセリフ、仁は聞いてたのです。あぁぁぁぁぁ、仁の癖に!仁の癖に!仁の癖に!それでブレスレット贈って恋人として受け取らせたのか。くそおおおお、仁の癖に!

「もう、しょうがないなぁ、仁は」で落ちる里伽子。



里伽子を部屋に連れ込んだ仁。「残りのケーキ食う?」なんて言ってたら里伽子が部屋の明かりを消す。終電逃して部屋で二人きりって状況は、半年前までの里伽子がずっと用意していた状況で、それはもう、行動も積極的になりますよね。

「なに、落ち着いたふりしてるのよ?」
「すぐ、したいくせに」
「もう、こんな時間なのよ?明日、仕事あるんでしょ?」
「そんなに、のんびりしてたら、抱く時間なんてないよ?すぐに出勤時間になるよ?」
下心を看破して、それでいて発破をかける里伽子。しかし、促し方に色気がないのがまた里伽子らしいというか、何というか。。。

仁「けど里伽子…お前、体、冷たくなってないか?」
里伽子「だから…温めあうんでしょう?」

逃がさないようにして、といって手を縛らせる里伽子。
これは左手が動かないことを知られないためだというのが半分と、もう半分は間違い―里伽子の主観では―を犯す覚悟の表れなんじゃないかなぁ、と思ったり。

仁「最初っから、こんなことすんのか?」
里伽子「誰がはじめてって言ったのよ?」
仁「そ、そういう意味じゃなくて…って、そうなの?」
里伽子「まぁ、はじめてだけど。」

ちょっと照れる里伽子。多分、この子は高校時代は部活と勉強で忙しいから恋愛なんかやってる場合じゃない、みたいなタイプだったんだろうなぁ。で、大学入って都会出てきたらダメ男に引っ掛かってしまった・・・と。苦笑



あんなに拒絶していた里伽子が、物凄く積極的に仁を受け入れる。激しくキスをして、自分からベッドに倒れこんで、仁の慣れない愛撫にいちいち感極まる。一体何が里伽子をそうさせているのか分からない仁。

仁「覚悟…できたか?」
里伽子「覚悟を決めるのは…仁の、方だよ」
仁「俺は…ずっとこの日を夢見てた」
里伽子「あんたが…あたしに勝てるわけがない」

里伽子を深く深く愛しているはずの仁なのに、里伽子の思いの大きさに追いつかない気持ちにさせられる。里伽子の「あんたなんか」「仁の馬鹿」が切ない。




◯三日間の別れ
仁が差し出した缶コーヒーを不機嫌な顔で拒む里伽子。
里伽子「缶コーヒーなんて飲まない。ファミーユのブレンドしか飲まない」
ファミーユのブレンドってのは勿論、若い店長さんが淹れてくれるブレンドのことだからな。不機嫌に甘える里伽子。

年末年始、帰省するのは12月中頃には決まっていたイベントなのですが、里伽子は気に入らないらしい。で、出発までずっと拗ねている里伽子。

里伽子「年末年始、仁と過ごせるって思ったから」
仁「うっ」
里伽子「一緒におそば食べて、一緒に除夜の鐘聞いて、そのまま、一緒に初日の出をテレビで見て…」
里伽子の願望は地に足が着いてるな。華がないと言うか、何と言うか。いや、らしいと言えばらしいけど。

里伽子「でも仁は…そういうこと、恵麻さんとするんだ」
仁「…なんで姉さんが出てくる?」

仁は「里伽子とではなく恵麻と」なんて意識はないのだが、里伽子にとってはこの辺は重要で。でもまぁ、こういうことが言えるようになったのは一歩前進なのかも知れないような、うーん、微妙。

仁「どうしたんだお前?ホントに、里伽子らしくないぞ?」
里伽子「そう見えるんなら、きっとそれは、酷い仕打ちをする男のせいかと」
仁「………」
里伽子「つきあい始めて一週間で、手の届かないところに行ってしまう男のせいかと」

「里伽子らしくない」だなんて仁は言っちゃうけど、ダメだってばそういうこと言ってちゃ。何か普段と違うと思った時に「らしくない」と思うのか「今まで見せていなかった一面が」と思うのか、この二者には大きな差がある。

里伽子「たった一回、寝ただけで…いい気になってんじゃ、ないわよぉ」
たった一回寝た後の餌の与え方が不十分な男をなじる里伽子。勿論用法は誤りです。このネタ、マジ恋の姫緒ルートでも使われてたな。

仁「里伽子のワガママなんて、どうせ年に一度くらいだろ?その頻度だったら、何でも聞くよ」
里伽子の気持ちは理解出来ないけれど、理解出来ないままでも受け容れる仁。里伽子がわがままを言うだなんて貴重なことだし、里伽子が自分を求めて駄々をこねるのは嬉しいことだし。

年末年始をずっと仁と過ごす、ということに照れと喜びを隠せない里伽子。しかし、急に翻意して仁を帰省させる。

ずっと一緒に過ごして、どうやって左手のことを隠し通すのか、という現実問題を自覚したようだ。恵麻よりも劣位に置かれることへの強い恐怖感を里伽子は持っているわけで、それが表出したのが今回の件。
恵麻より誰より仁の傍にいて、常に自分が愛されていることを感じたいと思う一方で、左手のことを絶対に仁に知られてはならないという制約があるから、仁の距離を詰めることにも限界がある。もっと近くにという思いと、近づけないという思いで、里伽子は常に引き裂かれる。


しかし、あの里伽子があっという間に半ばメンヘラ化してしまうのか。丸戸すげえな。



◯一月二日の再会
つつがなく過ぎた年末年始。45時間ぶりの再会を果たした時、里伽子は火傷したという左手に包帯を巻いていた。
いつか来てしまう破綻を先延ばしにしたくて、仁に愛される幸せを続けたくて、嘘をつく。

仁の言葉で妙に喜んだり、凹んだり、明らかに不安定な里伽子は仁への依存を深める。てか、仁が「こいつ不安定だな」って思うレベルなんだから余程だよな。大丈夫か、里伽子。

里伽子「いあぁ…あ、あ…あんた、上手くなってない?」
仁「そうかなぁ…そう思ってくれるんなら、嬉しいけど」
里伽子「練習…したりしてないでしょうねぇ?」
仁「どこでよ…」

里伽子落ち着け。




◯片手の世話女房
玲愛「っ!暗くなんかないわ!調子に乗ったこと言うな」
野菜持ってやってくるお隣の花鳥さん。押しかけ女房との対面はどんな感じだったのか。仁と遭遇した玲愛が暗かったのは仁に女がいるのを知ったから、でしょうか?

右手だけで料理をする里伽子。確かに皮剥きをどうやっているのかは気になるところである。固定できれば片手でピーラーを使えば良いんだけど。

仁「お前、俺の前で眼鏡かけるの、平気になったんだな」
眼鏡を外し忘れて大慌ての里伽子。仁が言う通り、ちょっとラブリーである。里伽子は仁に眼鏡姿を見せようとしないのだが、その原因は去年眼鏡屋で仁が里伽子を笑ったからみたいなんだけど、ここだけ回想シーンがないんだよなぁ。あっても良かったのに。

上手く食べられなくて、仁に食べさせてもらう里伽子。甘い…甘いよ。
里伽子が箸を上手く使えないのは眼鏡を外したからって理由と共に、利き手が右じゃないからってのもある。それを気付かせない里伽子が凄いのか、気付かない仁が鈍いのか。話として上手いのは、里伽子が左利きであることを仁がずっと忘れていたという点で、そうするとプレイヤーは右手で食事する里伽子に違和感を抱きようがない。

そして、ようやく念願のじゃがいもを手に入れた。
→ロマンシングサ・ガ?念願のアイスソード?

「あーん」状態に照れ始めた里伽子に食べさせるべく、仁は二人羽織(?)の姿勢に。里伽子を甘やかせて嬉しい。甘いぞ、甘いぞ。密着したせいでついつい反応するも、それすら嬉しそうな里伽子はちょっと末期。



「もうっ…しょうがないなぁ…仁、はぁ…」
仁は玲愛に声が聞こえてしまわないかと心配するが、玲愛は既にお隣の不穏な動きを予期して瑞奈宅に避難している。ここの会話は秀逸。

瑞奈「…で、なんであんたがウチでごはん食べてるの?」
玲愛「…何言ってるのよ。ついでに泊まってくからに決まってるじゃない」
瑞奈「会話つながってない…」
ちょっとあだち充っぽいやり取りだよね。




◯家族にしかわからないこと
今までは公私混同は、という態度だった里伽子も最近は毎日厨房に通される。あの里伽子さんがねぇ…。年明けから二週間。まだ包帯は取れない。

珍しく、かすりに仕事を任せる恵麻。それを怪しんだ仁が恵麻の隠していた負傷にすぐ気付く。見てるねぇ、恵麻のこと。“家族”ですもんね。
左手を隠し通せていることは良いことなのだけれど、あまりに残酷な形で恵麻と自分との差を見せつけられた里伽子。

わざわざやってきた里伽子を放っておいて、恵麻を連れて病院に行ってしまう仁。明日香やかすりは非難の眼差しを向けるも、仁はそれに気付かない。うーん…。

かすり「せっかく来てくれた恋人ほっぽっといて、お姉さんと一緒に帰っちゃうんだもんねぇ」
里伽子「それは…別に。恵麻さん、怪我したんだし」
明日香「里伽子さんだって、ずっと火傷したままじゃん」
里伽子「そ、それは…ちゃんと心配してくれた」
かすり「あんな風に見境なく?」

かすりと明日香は里伽子を慰めてるつもりなんだけど、現実を突きつけてもいるわけで。里伽子は気丈に振舞おうとしているけれど、結構傷つくよね。

里伽子「なんで…恵麻さんの時は気づくのよぉ…」
さて、里伽子が仁に気付いて欲しいこととは?いや、気付いて欲しいのか、欲しくないのかは難しいけれど。




◯家族だからできること
負傷した恵麻の世話を焼く仁。里伽子にはどうやって食べさせたのかと尋問され、同じことをやらされる羽目に。またやったのか、二人羽織。

恵麻「本当にリカちゃんにこんなことしたのぉ!?こ、こんなの…やりすぎよぉ」
仁「そ、そうかなぁ…」
恵麻「なんて…うらやましい…」
こら、本音が漏れてるぞ。

恵麻「やっぱり、仁くんには、リカちゃんがお似合いだよ。誰も…入り込めないくらいに」
んー、恵麻は恵麻で里伽子に対するコンプレックスがあるんだよね。里伽子みたいに仁を支えて、助けて、ってことは恵麻には出来ない訳だから。恵麻は仁を手に入れた里伽子を羨ましく思う一方で、仁の幸せを願っているわけで、あまり自分にばかりかまけていてはいけないと言うのだけれど、仁にそれは通じない。

仁「里伽子なら、わかってくれるって。どんだけの付き合いだと思ってるんだよ」
恵麻「…大した時間じゃないわよ」

仁が無条件に里伽子に甘えることを、危うく思って気遣う一方で反発する気持ちも隠せない。時間で言ったら、恵麻は一番だからね。しかし、仁は大丈夫なのかなぁ。恋人を信用することと、それに甘えるってことは、全く別個のことなんだが。

恵麻「リカちゃんが仁くんをふったのって…多分、姉ちゃんのせいよ」
なるほど、仁が里伽子に振られた理由を理解しているのか。多分、12月の重要イベント「波紋」で遣り合った辺りで気付いたのかな。

恵麻「繰り返しちゃ、ダメよ。もう、姉ちゃんのことは放っておきなさい。リカちゃんのことだけ考えるの」
ここの恵麻は多分、他のどんなシーンよりも「お姉ちゃん」なんだけど、ある種の自己犠牲的忠告は仁に届かない。んー。




◯じゃあ、家族でなければ?
タイトルが徐々に二人の元へ訪れる危機を示唆するようで恐ろしい。

二人羽織の食事はどうやら定番になっているらしい。
“ここ数日で、里伽子の感情の機微、かなりわかるようになってきた。そうやって考えると、俺って今まで、付き合いの長さの割に、里伽子のこと、よくわかってなかったのかも。”
分かってる、と思い込むことほど危ないこともない。前のイベントの恵麻のセリフと合わせて考えると何とも示唆的だ。

食事が終わって入浴。包帯を外してやると言い出す仁に狼狽える里伽子。実は仁、由飛からの情報で、既に里伽子の左手の火傷が治っていることを知っている。

“そういえばこいつ、左利きだった。”
包帯を取ってやろうとした時の一文。あまりにさらりと書かれていて、初回プレイ時には何も気付かなかった。勿論、仁も事の重大さに全く気付いていない。

包帯を外し、火傷がないことを確かめ、少し里伽子をからかって。でも、里伽子の反応はおかしい。驚きながらも、丸めた包帯を里伽子に返す。左手に載せた包帯は何度やってもポトリと落ちる。真っ青になる里伽子。

つねっても痛みを感じない里伽子の左手。利き手は左なのに、ずっと里伽子は右手を使って食事をしていたということに仁はやっと気付く。

仁「お前…左手…動かない、のか…?」

ついに里伽子の左手の秘密に触れてしまった仁。ほつれた糸を戯れに引っ張ったら全てが台無しになってしまうような、そんな激震。里伽子は部屋を飛び出した。靴も履かずに。知ってしまった事実が衝撃的すぎて、仁はすぐに追い掛けることも出来ない。

Trueエンドだと、ここを見るのは二回目になるんですけど、その時は「あぁ、これはサボテンの花だ」と思いました。
>ほんの小さな出来事に愛は傷ついて。君は部屋を飛び出した。真冬の空の下に。
>絶え間なく降り注ぐこの雪のように君を愛すれば良かった。
ってやつで。

駅まで追いかけて、やっと里伽子を捕まえた仁。自分が聞こうとしている事実がきっと恐ろしいものであることを予想しつつも、それでも聞こうとする。いつから動かなくなったのか。どうして言ってくれなかったのか。

里伽子「………言えないんだよぉ」
仁「言えない理由は…?」
里伽子「全部終わっちゃうから!あたしと仁の関係、なくなっちゃうからだよ!」

ついに感情を露わにした里伽子。仁は自分が何かしてしまったのだという予感を持っている。里伽子はそれを自覚させ、背負わせることを避けようとしているけれど、もうここまで来てしまったら聞くしか道はない。

“パンドラの箱”という比喩がここでは使われている。触れてはいけないものという意味で一般的に使われる比喩だけど、里伽子の手についての重大な伏線だったの第2クォーターエピローグで引用された「鶴の恩返し」も同様に、触れてはいけないものに触れる話なので、ライターはその辺を考えて配置してるのかも知れない。

箱を開けた時にはあらゆる厄災が飛び出し、最後に「エルピス」が残るというのがパンドラの箱の話。エルピスは一般的に希望と訳される訳で、さてさて里伽子と仁の間にも希望は残ってくれるのか。という、訳でここから里伽子ルートの解答編(?)。

里伽子の回想。仁と初めてキスした時の話。
ベランダで一人呟く里伽子。
「ここまで来るのに2年かぁ。遅すぎ、ば~か」
「断らないって言ってんのに、どうして泊まってかないの?この…弱虫ぃ」

仁「いつから…」
里伽子「少なくとも、あんたより前」
仁「んな馬鹿な…俺は、2年になった頃には、もう…」
里伽子「だからぁ、あんたより前って言ってるじゃん」

結局これっていつなんですかね?やっぱ初めて会った時ですかね?そうだよなぁ、里伽子は好きでもない男を、潰れているとは言っても家に上げないだろうからなぁ。

里伽子「あんたが笑うと、すごく満たされた。あんたに頼られると、何でもできる気がした。あんたに触れられると…とても、気持よかった」
愛の深さを感じる。

里伽子の回想2。火事の日の話。
燃えるファミーユの中で三つの位牌を助け出し、それで大怪我を負った里伽子。

里伽子「ね?情に流されると、ロクなことにならない…でしょ?」
考えてみれば、こんなセリフを言う人間が薄情なはずはないのだ。情が深いから、辛い思いをして、こういうことを言うようになるのだ。

位牌は「ついで」だった、という里伽子。ポケットから取り出される焼け焦げたブレスレット。頑として外さなかったのを、仁が説得してやっと外させたものだった。辛い思い出の品のはずなのに、里伽子はずっとこれ持ってたのか…。ダメ恋でも麻美は婚約指輪と結婚指輪を肌身離さず持ってたなぁ、そういえば。

仁「なんで、こんなもん取りに戻った…?」
里伽子「欲しかったから」
仁「なんで…父さんたちまで、救おうって思った…?」
里伽子「知らなかった?あたし、すっごいバカなんだよ?」
仁「本気で…バカだ」
里伽子「うん、だからさ…あんな包帯一つで、いつまでも誤魔化せるって、信じ込んでたんだ」

里伽子はこうして破綻することが予見できていたけれど、それでも、仁に愛されて過ごすことの喜びが先に立ってしまって、嘘を重ねて、ごまかして、ごまかして。

「なんで俺に、頼ってくれないんだ?俺に、責任を負わせようとしない?」
「なんで…なんですぐに相談してくれなかった?」

里伽子は怪我をしたことの責任を仁に負わせようとしない。恋人である仁に頼らない。怪我した当時、親友だった仁にも頼らなかった。それを問い詰める仁。里伽子は決定的な一言だけは言うまいと気持ちを押し留めようとする。でも、それも限界。

「頼ろうと…思ったよ」

「けど………」

「頼らせてもくれなかったのは、仁の方だぁっ!!」

里伽子が怪我をした直後、仁は何をしていたか。心の拠り所だったファミーユを失ってしまった恵麻に付きっきりで、里伽子のことを考えもしなかった。

仁「しばらく…連絡取れないと思う。そうだな、一週間くらい」
里伽子「一週…間…?」
仁「本当に悪い!でも、里伽子ならわかってくれるだろ?」

燃えるファミーユに里伽子が戻る原因を作ったこと。
里伽子が怪我をする原因を作ったこと。
そして、里伽子が最も仁を必要とした時、傍にいなかったこと。
それが、仁の罪。

「二年間、一緒にいて…はじめて、支えて欲しかった日だったのに」
「それから何度会っても、全然気づいてくれなかった!…恵麻さんの怪我はすぐ気づいたのに!」
「好きだから、好きだから、大好きだからっ!仁が、憎いよぉっ!」
仁が里伽子に伸ばした手が、力無い左手で払われる。何よりも重い拒絶。



里伽子「さよなら」
別れの言葉を残して里伽子が去っていく。その場に、固まったように動けない仁。


里伽子は…
あんなにとてつもない寂しさと、やるせなさと…
そして、俺に対する憎しみを、抱えたまま。
それでも、俺を捨てきれずに、
恋人のまねごとまで、付き合ってくれて…
悲しいくらいに…いい奴過ぎて…
俺は…
………
そんな、聖母を、失ったんだ、な…

仁の内心描写が何度読んでも泣けてしまうので、全文引用してしまいます。この項は引用が大変多くて申し訳ない…。




◯ちっとも諦めてないってば
バレンタイン商戦へ向けて店長から発表。売上目標とクリアしたらのボーナスと増員を、という計画。不思議なくらい、仁の仕事ぶりはまともだし、モチベーションが高い。不審がる店員たち。

明日香「て…てんちょ…話せ過ぎ」
かすり「悪いものでも食べた?医者に余命幾ばくもないとか言われた?…恋人(リカちゃん)に振られた?」
なんてのが案外クリーンヒットだったりするわけだが、しかし、それとこれとの関係は?

仁は黒字化を機に店員個々の負担に頼り過ぎる従来の形態を見直して職場環境の改善を図るつもりらしい。確かに、誰か一人でも欠けたら回らない状況だもんな。仁の提案は合理的。ちなみに、これには仁が大学生と店長とを両立するということも含まれる。

恵麻「本気で、ファミーユを立て直す気になった?」
仁「そっちは最初から本気だよ」
恵麻「じゃあ…?」
仁「それよりも、ファミーユだけでなく、全てのことに本気になる必要が出てきただけ。大学とか、色々」
それはきっと、里伽子に繋がってくるんだろうけど。

運命に負けられない、と宣言をする仁。
あれ?ちょっとカッコイイ。
『あしたのために、その1』


久々の大学。
里伽子へ粉をかけていたことを種に、堀部を軽く脅して中村教授に渡りをつける仁。何をする気だ?
『あしたのために、その2』


駅前で瑞奈+玲愛に遭遇。両手一杯の荷物は全て本。市内の図書館を回って本を掻き集めたらしい仁。何の本だろう?
『あしたのために、その3』

ままらぶの涼子ルートで、涼子に振られた浩二が急にトレーニングを再開し、野球選手として再起を目指してたのと重なる。大事な人を失ったショックで、むしろ力強く生まれ変わるというパターン。わくわくする。




◯女々しい野郎どもの唄
明日香を実験台にマッサージの練習?おいこら、イチャつきモードの音楽流すんじゃないよ。真面目モードに入った仁には明日香のちょっとあれな反応も耳に入らない。

仁「どう?痛い?」
明日香「う、ううん…いたくないよ」
仁「よかった…ちょっとでも痛くなったら言ってね。すぐやめるから」
明日香「てんちょ…」
セリフだけだと大変けしからんシーンなんですけどねww

かすり「どう見てもフィリピンバーでホステス口説いてるしゃっちょさんなんだけど…」
箱入り家出娘の癖にスれてるなぁ。しかし、的確。

閉店後。うたた寝から電話で目覚める仁。恵麻からだった。
仁「…ゴメン、寝ぼけてた。姉さんが他人を起こすなんて、タチの悪い冗談だよな」
シリアスなシーンにも軽くジョークを挟んでくるのが大変良い。

電話の内容は、両親が仕送り多めに振り込んでくれたという話。高村の両親は怒っていた。一体何に?

恵麻「後悔しないわね?」
仁「果てしなく後悔したから、やるんだよ」

ちょっとちょっと、里伽子に振られてから仁くんやたらカッコイイぞ。このセリフがスゲー好きです、僕は。電話を切って、しばらくはふりかけご飯を覚悟する恵麻。これって、仕送り多めの部分はお姉ちゃんの援護射撃ってことなのかしら。

さて、仁は一体何をしようとしているのでしょうか。




◯あばかれた陰謀
里伽子、かすりと接触。
仁はいないと言われて「だから、来たの」と答える里伽子。『あしたのために、その2』では仁が「だから来た」と言っていた。シンクロ?

かすりに渡したのは何だろう。話の内容から考えるに、ファミーユの制服か。そういえば里伽子が手縫いで作ったプロトタイプが一着あったな。

里伽子「そっか~、もうサイズ合わないんだ~。見た感じだと分かんないけど、太ったんだね~」
仁と里伽子に深刻なことがあったのを知っているのか、知らないのか、どちらにせよまともに里伽子の相手をしないかすりには作為的なものを感じる。これも陰謀のうち?

里伽子「その…仁は…どうしてる?」
かすり「元気いっぱいだよ」
里伽子「………え?」
かすり「なんか仕事が楽しくてしょうがないって感じ。今が一番燃えてるんじゃないかなぁ?」
里伽子「な、なんで…?」

躊躇いながらも、結局仁の様子は気になって尋ねてしまうけど、充実している様子と聞いてショックを受ける里伽子。自分と別れて、当然意気消沈しているものかと思っていたのに。それを見て、ここぞとばかりにかすりは更に攻勢をかける。

「仁くんが楽しそうに日々生きてたら嫌なの?リカちゃん、何か困ることでもあるの?」
「わたし、本当に忙しいからもう行くけどさ、なんかそういう態度、好きじゃないな」
これは陰謀のうちなのか、或いは若干の私怨が入っているのか。

里伽子「…………どうし、て?仁は…平気、なの?」
一生傷ついて、自分のことを忘れないでいてもらおうと思っていたのに、仁が全然堪えていない様子で、里伽子はショックを隠せない。

かすり「リカリンめ…動揺しろ動揺しろ。心、千々に乱れるが良いわ~ふっふっふっふっふ~」
由飛「…かすりさんは仕事しろ仕事しろ」
どうやら、かすりの態度は仕組まれたものだったようですが、由飛に仕事しろと言われるくらい楽しくやっちゃうのはどうなのかしらww2chのスレだと、由飛はここのシーンが一番好きって意見もあったな。



退学届を出しにきた里伽子。
事務員から担当の中村教授に連絡が行って説得にやってくる。これはまさか、仁は里伽子が退学してどっか行っちゃうのを読んでいて、教授に根回しを?ちょっとワクワクしてきますね。

里伽子に母親から電話。
前日に「大学やめて地元に戻る」とだけ告げていたのだが、里伽子の知らないうちに話が進んでいて、「男連れて帰ってきて驚かすつもりだったのか」と笑う母。今朝、男が尋ねてきて里伽子の両親に挨拶をしていったらしい。これは仁くんだよなぁ、大学だけでなく、両親の方にも手を打っていたか。




◯なら、家族になればいい
閉店後の掃除を一人で引き受ける仁。今日は午後三時出勤だったようです。うなぎが美味しかったと言ってますから、やっぱり里伽子の地元の浜松に行ってきたんでしょうね。

片付けが済んだ頃、閉店後の店に里伽子が来る。大学の件と家族の件を問い詰める為だろうけれど、仁にとっては飛んで火にいる夏海の虫かもしれない。

“たぶん、一月ぶりくらいに見る里伽子は…”
仁「ちょっと太った?」
ここで、かすりが言っていたネタを引っ張ってくる辺り、随分逞しくなったんじゃないだろうか。なんて思ってたら、『リカちゃん、なんかやつれてたから、逆に『太った?』って聞くと喜ぶわよ』なんてかすりに吹きこまれてたんですね。まぁ、罠だと分かっててかかるのも心の余裕があるからでしょうけど。

退学届が受理されなかったこと、実家から電話が来たことを問い詰める里伽子。とぼける仁。すごいな、仁が里伽子に対して優位に立ってる。一ヶ月頑張った成果だな。

里伽子「今日、実家から電話がかかってきた」
仁「仙台だっけ?」
里伽子「浜松よ!知ってるでしょ?」
実家が仙台なのはショコラの香奈子さんです。

教授へ里伽子の事情を伝えて大学に引き止めさせる作戦、親御さんに根回しして実家へ逃げられなくする作戦、それから里伽子は気付かなかったけれど病院の方にも。第一クォーターで玲愛に「なりふり構うな」と言われた仁だけれど、本当に今回はなりふり構っていない。目的が明確で、確固たる決意があるから、物凄い力が出せてる。

仁が復学するのは里伽子の手になるため。勿論ファミーユの店長も続ける。大学生と、里伽子の手と、ファミーユの店長の三足のわらじ。

里伽子「無茶よそんなの…お店と大学とを両立させて、その上、あたしの手になるつもりなの…?」
仁「お前は、ずっとそれをやってきた」
里伽子「え…?」
仁「店と大学と…俺の面倒。2年間も、ずっと、見てくれてたじゃんかよ」
里伽子「っ…」
仁「だから、きっと俺にもできる。里伽子のためじゃなくて、俺のためだから」

里伽子は2年間、ファミーユを仕切り、大学では優秀な学生で、仁の面倒まで見てきた。だから自分にだって出来るはずだと仁は言う。好きな人の力になって、いつでも傍にいられるなんて、そんなに幸せなことはない。

腕の怪我だって、治る可能性はあるんだから諦めるなと仁は言う。でも、最も必要な時にいてくれなかった仁を、里伽子は信じられない。それでも仁はもう一度試してみろと退かない。

仁「もう一度…もう一度だけ、俺のこと、試してみる気はないか?」
里伽子「嫌だよ、もうっ」
仁「将来有望な八橋大生だぞ?」
里伽子「大学行かずに、バイトばっかり」
仁「バイト先では店長にまで上り詰めたぞ」
里伽子「姉の七光り」
仁「お前のこと、世界で一番愛してるぞ?」
里伽子「っ!………嘘っ!」

即座に否定できないのが、里伽子の中に仁を諦め切れない気持ちがあることを示している。この遣り取りで仁に悲壮感がないのが良い。

どんなに好きでも、仁が家族を一番大切にすることは変わらない。
里伽子「世界一好きでも、世界一大事じゃないなんて、そんなのは嫌ぁっ!」
だから里伽子は仁を拒絶する。

仁「約束する!お前を、世界一、大事にする」
でも、仁は引き下がらない。世界一愛している女性を世界一大事な家族に加える方法を仁は知っている。
仁「俺が大学卒業したら…結婚しようぜ?」

やっぱり、どこまでも仁にベタ惚れの里伽子にはこれが効果抜群で、すっかり取り乱して、もう拒絶の言葉も出てこない。
「結婚、しよ?」
「そんなに俺のこと嫌いか?」
「…そこでぶつのは否定を意味するぞ?」
「好きだろ?俺のこと、好きだよなぁ?」
仁の言葉に言葉で反撃できず、唯一動く右手を出すしかない。

里伽子「あたしを丸ごと背負うつもり…?」
仁「そんなカッコいいこと考えてない。俺はただ、お前の苦境に付け込んでるんだよ」
そうとも、仁は里伽子を助けたかったのではなくて、里伽子を手に入れたかったんだ。

どうにかなると信じて自分の手を取れと仁は言うけれど、未来に希望を持って生きることをやめてしまった里伽子にはそれが出来ない。でも仁は諦めない。両手で子供を抱こう。いまわの際に自分の手を握ってくれたら満足だ。必死になって里伽子を口説く。

仁「だから家族になろう?里伽子」
里伽子「本当に…本当に…しょうがないなぁ………仁はぁっ!」
やっぱり里伽子は、仁を拒絶できない。

里伽子「なんでこんな、壊れちゃったあたしにこだわるのよ…これじゃ、今までの強いあたしが、馬鹿みたいじゃない」
仁「強い里伽子に甘えるのも、弱い里伽子に甘えられるのも、比べることができないくらい、同じくらい大好き、だ」
里伽子「なんでそれを先に言わない…」
仁「こんなこと、強い里伽子に言えるかよ…カッコ悪くて」
里伽子「あんたの、その、取るに足らないプライドのおかげで、あたしがどれだけ哀しい思いをしたか…わかってんの?」

ダメ恋で理くんが麻美に結婚しようと言い続けるクライマックスと重なるシーンだった。その言葉がもっと早く出ていれば、こんなに傷つけ合うこともなかったのに。でも、その後悔を差し引いても、麻美は理と、里伽子は仁と、一緒にいたいと思ったのだなぁ。

里伽子が部屋を飛び出すシーンが「サボテンの花」なら、仁が里伽子をついに口説き落とすこのシーンは「青春の影」でしょうか。まさに「君を幸せにする、それこそが、これからの僕の生きるしるし」じゃないですか。プロポーズでいまわの際の話をするのは、さだまさしの「関白宣言」的でもある。

里伽子の要求。
二人の思い出の、ファミーユの最初の制服を着せて欲しい。



「もう、これを着て、みんなと働くことはできないけど」
「最後に、もう一度だけ、仁に、見てもらいたい」
里伽子のイラスト、ここが一番好きかな。今更ですけど、里伽子可愛いですよね、ヴィジュアルも。

里伽子「仁が手伝ってくれるなら…あたし、もっとお洒落したい…似合わないくらい、可愛い服も、着てみたい…」
何だかこのセリフが妙に泣けちゃって。泣けちゃって。

里伽子「こんな…感じ…っ」
仁「ああ…」
里伽子「メイド服より、もうちょっとカフェの制服に近くしてみました…っ」
仁「ああ…っ」
里伽子「ちょっと、ウェストきついまま…でも、まだ、着れた…着れたよ」
初めて着た時と、同じ遣り取り。二人して、涙をぽろぽろ零しながら。

里伽子「本当は、ずっと戻りたかったんだよ。みんなのとこ、帰りたかったんだよ…っ」
仁「おかえり…ようこそ、ファミーユへ」
恵麻と仁と里伽子で始めたファミーユなんだから、里伽子の思い入れが深くないはずはない。お店のコンセプトだって、内装だって、制服だって、全部里伽子が考えたんだから。

全て清算して、やっと心から通い合ったと信じられて、二人でスタート地点に立って、だから仁と里伽子は改めて互いを求める。二人ともどんどん身体と心を開いていって、かなりいやらしいこと言ってて、エロいシーンなんだけど、何だかもう涙が出てしまう。仁がずっと左手を握り締めてたのが、また…。

里伽子「あたしが今、どんくらい幸せか…あんたにわかる?」
仁「…そんなリーズナブルなこと言うなよ」

これくらいで幸せにならなくて良い。と言ってるんだけど、reasonableはそもそも理屈に合うって意味でして、ほぼ丸三年かけて仁の一番を勝ち取った里伽子が幸せを感じるのはリーズナブルだよなぁ、と思ったり。




◯里伽子trueエンディング
二人の娘を撮る最初の写真。

仁「俺の娘だぞぉ!?」
里伽子「あたしがお腹を痛めた」
仁「俺が気持ちよかった!」
里伽子「…最低」
あぁ、くそ。こんなので笑い泣きしてしまう。ガードが極端に緩くなっている。



娘の名前は高村夏海。抱いているのは高村里伽子。写真を撮っているのは夫の高村仁。思い描いてきた未来図の一つのゴール。五度の手術と五年のリハビリを乗り越えて、やっと両手に抱けた娘。一度は全てを諦めた里伽子にとって、それは信じられないくらいの幸福で、涙も止まらない。


仁「本当に…しょうがねえなぁ…里伽子はぁ…っ」




パルフェは里伽子ルートのためにあるゲームでした。いや、他のルートもそれぞれ素晴らしいのだが、それにしたって里伽子ルートが素晴らしい。

パンドラの箱に最後に残ったエルピスは「期待」とも訳されて、未来へ期待するから人は苦しむようになったとも言われる。その筋で行くと、仁と幸せになるという未来を描いた分だけ苦しくなるというフォセット「里伽子抄」の伏線とも言えるのかも知れない。なんて深読みかしら?

今日はここまで。

戯画「パルフェ」プレイ日記25 里伽子4

波乱続きの第4クォーターをお届けします。
個人的には「まわり道」と「ちっともあきらめとらんじゃないか」が気に入ってます。


○12/1 第4クォータープロローグ
クリスマス商戦へ向けて、ファミーユ店員大集合。

里伽子に助けられて到着した由飛。由飛に代わって謝る仁。機嫌を害する里伽子。愛人の粗相について旦那から謝られた本妻・・・うーん、既にこの構図って時点でアウトのような。
里伽子は片手しか使えないのにブーツなんだよなぁ。もっと履きやすい靴を履けば良いのに…。

そういえば「ままらぶ」でもかおりルートで小雪が浩二に代わって謝ったことについて、かおりが腹を立てるってのがあったし、ダメ恋でも麻美が理に代わって謝ってて長屋の連中から「あらあら」って目で見られてたような。

かすりと明日香もセットで登場。
確か、かすりは23歳とかだよね?だとすると、ちょっと私服に落ち着きがありすぎるような。色合いが少し派手でも良いかなぁとか思ったり。

来客者が位牌に手を合わせて、半年前の火事の話。
仁「全員、怪我一つなかったんだし、それだけでも幸運だったって思ってるから」
少なくとも仁はそう思えている。恵麻はそう思えるようになってきている。結局復興とは人の心なのだ。
でも、里伽子は一生ものの傷を負ってしまったんだけどね。里伽子がこの位牌に手を合わせる気になれないのは、位牌なんてそれ自体には意味がないものに拘ってしまったために、取り返しのつかないことになったからなんだろうなぁ。あと、手が使えないのも関係してる?

クリスマス期間は恵麻はクリスマスケーキに専念。かすりの責任は重大ですが、大丈夫か?ちなみに、クリスマスケーキの値段はワンホール1000円と今回もダンピング戦術。勿論、経営企画担当の里伽子が決める。笑

利益を出すには前年比三倍の売上が必要という試算。流石に無茶な作戦なのだが、それに一番に乗る明日香。流石の積極性だ。

かすり「頼もしいこと言うねぇ、一番おっぱいがデカい割には。」
明日香「なにそれっ!?」
恵麻「くっ…」
里伽子「………」
仁「こら…俺がリアクション取れないボケはやめろ」
かすり「確かめたことないの?」
仁「ありがとうよツッコませてくれて!」
この遣り取り良いですね。恵麻と里伽子が若干悔しそうなのがなお良い。

休憩時間。仲良さそうにじゃれ合う仁と由飛に里伽子が「そこ通れないんだけど」とドスの利いた一言。里伽子様が私怨に燃えていらっしゃいます。笑




○12/7 波紋(恵麻・里伽子重要)
ジョジョの初期、とかは全然関係なく、いきなり恵麻VS里伽子の山場。

クリスマスケーキの試食会。
これはまぁ、つつがなく終わりまして。相変わらず恵麻のケーキは絶好調。

クリームをつけてる仁の口を拭こうとして、手を引っ込める里伽子。このびみょーな線の引きっぷりはなんなんでしょうね。バトンタッチされた恵麻は何も気にせず弟を甘やかす。仲の良すぎる姉妹ぶりに複雑そうな里伽子。

空気を変えるためか、たまたま思い出したのか、ファミーユ発足当時の話を始める恵麻。脳天気な姉と、それに追随してしまう弟の世話を焼き続けてきた里伽子。ついつい思い出して説教を始めてしまう。

里伽子がファミーユに顔を出してくれるようになって良かった、と言う恵麻。
恵麻「しばらく、連絡くれなかったから嫌われちゃったのかなって…」
里伽子「…何か心当たりでもあるんですか?」
空気が凍る。こらこら、里伽子。怖いよ。
里伽子が一番仁を必要としていた時に仁を独占していたこと、とか?

タイミング良く?悪く?電話で席を外す仁。
仁と里伽子の交際について言及する恵麻。それは地雷だと思うんだけどなぁ。

恵麻「どうして、別れちゃったのかな?仁くん、今でもリカちゃんのこと、好きなのに」
里伽子「………」
恵麻「どこが…ダメだったのかな?そっりゃ、ちょっと甘えん坊なとこあるけど、それってリカちゃんを頼りにしてるってことだったのに」

「仁のために戻ってきてほしい」と言う恵麻。「恵麻の力になりたいから助けてほしい」という仁。姉弟の結合の強さが里伽子を傷つける。

里伽子「そんなに仁が心配なら、恵麻さんが、慰めてあげればいいじゃない」
仁にとって恵麻以上になれない里伽子に、恵麻は仁を助けて欲しいと言う。そんなの里伽子が耐えられるはずもない。

里伽子「もしかして、まだ旦那さんを愛してます?3年も前にいなくなった、仁にそっくりな人を?」
どうやらこれは、恵麻にとってあまりにクリティカルな一言だったようで。
一人は恵麻に「仁の代わりでも良い」と言って結婚した、なんてことを里伽子が知るはずもないけれど、里伽子は恵麻の仁に対する気持ちが分かってた訳ですね。

言ってはいけない言葉だったと気付く里伽子。謝って、店を飛び出す。
残される恵麻。その恵麻を直視できない仁。




○12/10 まわり道(里伽子重要)
里伽子を送っていく仁。マンションまで10分はあるのに「ここまでで」と言う里伽子。

仁「マンションの前まで!大丈夫、上がらせろとか言ったり、急に襲ったりしないから!」
里伽子「いや、仁にそんな勇気があるとは最初から思ってないからいいんだけどさ」
そんな勇気があるなら火事の前に出してますよねー。出してたらこんなことには…いや、言うまい言うまい。

仁は、要約すると「お前といると癒される」なんてことを言ってるわけで、つまり「送っていく少しの時間でも一緒にいたい」ということで、いやぁ、なんとも諦め悪いなぁ、仁くんは。でも、諦めさせない里伽子にも責任はあるよね。

どんどん歩くのが遅くなる仁。気付く里伽子。口に出してしまう辺り、不器用なのかも知れない。牛歩戦術に続いて、まわり道。しかしこれは、里伽子と一緒にいる時間を長引かせるためだけではない。

仁「え~と…ほんの少しでも長く、里伽子と一緒にいたいから…というので手を打たないか?」
里伽子「…それは女冥利に尽きること」
仁「わ~すっごい嬉しそう」
里伽子「だって嬉しいもん」

そこは仁が「勘違い」をして二人がキスをした場所だから。そのことを了解済みの二人は決してそれを口にしない。半年前のちょっと甘苦い記憶を二人共思い出して、びみょーな距離感と、でも固い繋がりを確認して、五分の道を十分かけて歩く。

仁「部屋まで送ろうか?」
里伽子「いいけど…『お茶でもどう?』って言わないよ?」

もう一歩だけ踏み込もうとした仁に、里伽子は明確な線を引く。マンションの前まで送り届けて「また明日」の約束をして、別れる。仁は里伽子との距離感を探りながら半年間を過ごしてきたんだなぁ。
里伽子が仁を部屋に上げないのは左手が使えないために生活が激変しているのがバレるからというのもある。部屋の様子についてはRe-orderで追加されたショートストーリーに詳しい。

素っ気なく扱われても、距離を置かれてしまっても、里伽子と話すことで元気を出した仁。そして、半年前と変わらない思いを確認する。

「やっと、帰ったか」
「ね、お茶でもどう?もし、戻ってきたなら、上がっていきなさいよ」

ベランダから外を眺めて、使えないまま、ずっと用意し続けたセリフを呟く里伽子。
ままならないなぁ。




○12/18 怒涛の新メニュー(恵麻通常)
経営感覚のないパティシエール恵麻はこの期に及んでメニューを増やしたがる。クリスマスケーキを作るのが楽しくて「半年前から準備しておくんだった」なんて言っているけど、おい、ちょうど半年前に家が焼けたんだからなww

半ばお飾りと言っても総店長。精神年齢は下手すれば由飛並と言っても最年長。あまりに考えなしでクリスマスに向けてはしゃぐ恵麻の姿に、流石の仁くんも厳しい言葉を投げかける。

かすり「え、えーと、ここは一つ、わたしが一両を負担するということで…」
仁「黙れ忠相」
かすり「上様!?」
大岡越前の名裁き「三方一両損」の話と暴れん坊将軍。
ダメ恋にも大岡越前の話は出てきたね。美都子をどっちが面倒みるかって話で姫緒と理くんが揉めて、譲歩した理くんに姫緒が「家裁の判事が忠相なら私が負けてた」って言うんだ。

姉弟が対立した時に、意外とかすりが気を遣ってるんですよね。普段はかなり適当なのに。




○12/21 ちっともあきらめとらんじゃないか(里伽子重要)
あ、仁と里伽子が酒飲んでいます。NGなはずではなかったのか?ちなみにお店はPURE PLATINUM。ままらぶの桜木昭が若い頃アルバイトしていた店。

仁「まぁ、今日くらいはいいじゃん。めでたい日だし」
里伽子「えらい人のお誕生日は明後日。キリスト教徒のお祭りは三日後。そしてあんたはえらくもなければ浄土真宗」

なるほど、里伽子を誘えたのが余程嬉しいのだな。で、このセリフで思ったのは、どうして里伽子は仁の宗派を知ってるのか、ということ。位牌の形とかでも分かるんだっけ?

やっと里伽子を飲みに誘うことに成功した仁。この前は「10分くらいで落ちそう」だった訳だが「何故だか、相当ヘソを曲げてた」里伽子。理由は勿論、月例会を優先されたからでして。流石の里伽子もまわり道してるうちに、ついつい絆されてしまったのか?

入学直後の思い出。
新歓コンパで一次会、二次会、三次会と進んで気付いたら里伽子と二人になって、最終的には潰れてしまって、翌朝気付いたら里伽子の家。でもこれって、要は里伽子が上手いこと仁を捕まえたってことなのかしら?潰れたところを家に連れ込まれちゃってるし。

ブリックモールに来てからの話をする仁。玲愛との売上対決と土下座について。明日香の受験について。かすりと“婚約”したことについて。元気を取り戻した恵麻について。ファミーユの新しいメンバーである由飛について。

里伽子「…あたしは、認めないけどね」
仁「お前…由飛と合わなそうだもんなぁ」
里伽子「誰かさんの扱いが違うからじゃない?」

里伽子が由飛に厳しいのは、やはり私怨であった。面と向かっては言えないけれど、こうして聞こえない程度の言葉にしてしまうのは、結局のところ仁に知ってほしい気持ちが多少なりともあるからで、里伽子の心中は複雑怪奇。

約束の二時間を過ぎても帰る様子のない里伽子。やっぱりこうして二人でいるのは余りに居心地が良くて楽しくて、それでまた、距離を測り違える。里伽子の手に触れようと伸ばされた右手が空を切る。
これが左手じゃなかったら里伽子は許してたかも知れない。左手が動かないのを知られそうになるという状況が、やはり仁と自分は恋人にはなれないという致命的な決意を思い起こしてしまった。

「…なに、してんのよ?」
非難と戸惑いと焦りと少しだけ甘さが感じられる。これ以降は仁を拒絶しなきゃいけないという強い決意から来るセリフだから、この一言とはニュアンスが異なる。

仁「悪い、魔が差した」
里伽子「友達はそういうことしないの」
仁「別に…それ以上になったって…俺はいいんだけど」

仁「だったら…なんで中途半端に、側にいるんだよ?」
里伽子「だって友達だから。大事な、本当に大事な、一番の友達だから」

やはり里伽子を女性として好きな仁。仁とそういう関係にはなれないと拒む里伽子。恋人にはなれないけれど大切な友達でいる、という選択が無理であることを改めて知った里伽子は別れを告げる。

里伽子「もう、会わない方がいいよね?」
仁「待てよ…なんだそりゃ?」
里伽子「『中途半端に側にいる』のがいけないんでしょ?さっき仁、そう言ったよね?」

別れだけを告げて、店を出ていく里伽子。二度目の絶望を味わった仁は、里伽子が去った後の席に涙の粒を見つける。それに一縷の望みを託して、仁はクリスマスイブに決着をつけると里伽子に宣言する。

仁「お前、三日後空いてる?24日」
里伽子「…何のつもりよ?」
仁「一緒にいたい…その日、里伽子と」
里伽子「~~~っ!」

仁「昼間はファミーユの一番大事な日だから…だから夜!店が終わってから、会えないか?」
里伽子「なに聞いてたのよ…あんたはぁ…」
仁「24日の予定なんかは聞いてないぞ」

仁「来なければ、今度こそ、今度こそあきらめる。絶対に、お前に迷惑かけない、ただの友達になる」
里伽子「あんたはぁ…」
仁「その代わり…もし来てくれたら…ただじゃ帰さないからな。覚悟して来いよ」

仁がカッコイイです。あと、この遣り取りは里伽子の複雑な心情を良く表してる演技で声優さんの力量を感じる。最後まで強く拒絶できないところとか、やっぱ仁に弱いなぁ、とか思ったり。滑舌そんなに良くないけど、それも却ってナチュラルで良いかもしれない。

里伽子「あたしは…知らないからね」
仁「それじゃ、またな、里伽子」
里伽子「うるさいっ」

里伽子を諦めない仁。里伽子は仁の恋人になることを諦めようとするのに、それを許さない仁。里伽子は揺れる。




○12/22 本当の四回忌(恵麻重要)
休日の朝九時に恵麻が起きている、という状況に驚く仁。恵麻が朝から仁を呼んだのは二人だけで一人の四回忌をするため。という訳で、朝からワイン。おいおい。

一人の思い出。仁への溺愛ぶりで恵麻と一人が喧嘩をした話。それがきっかけで一人と付き合いだしたという恵麻。自分が初恋の人のキューピットをやってしまったことを後悔しても仕方ないものの悔いてしまう仁。

飲み進めて夕方。
三年前に一人を失った時よりも、一人のことを愛していると言う恵麻。その言葉に仁がちくちくと痛みを感じる一方で恵麻は結婚当初から深く愛していたかというと…なんてことまで言ってしまう。

恵麻「あ、そりゃ、好きだったわよ?凄く優しくて、時々厳しくて、でも基本的には甘くて。紳士で、頼りがいがあって、顔は仁くんそっくりで」
最後の部分はNGすぎるだろーよ、お姉ちゃん。

一人のプロポーズの言葉について言及した恵麻。仁は眠ってしまい、それを聞くことは出来ず。一人がプロポーズの言葉で突いた「痛いとこ」とは?




○12/23 ちょっと充電(かすり通常)
翌日ほどではないものの、結構忙しい「えらい人の誕生日」であるところの祝日。
「頑張ったら何かご褒美もらえるのかな?」と言ってみるものの、それ以上を言えないかすり。パッケージの説明では「一見清楚だが」って書いてある。かすりが一見清楚かはともかくとして、実際のところかなり奥手であるのは確か。




○12/24 両者完売(恵麻・里伽子True)
クリスマスイブ当日、という言い方は本来の意味からすると甚だ不自然ではあるが、ついにこの日。人気喫茶店の朝は早い。そして客の朝も早い。開店前から行列だなんて、バーゲンセールかパチンコ屋のイベント日か…。

明日香「いらっしゃいませ。どうぞごゆっくりお選びください」
ごゆっくりが妙に強調されてるww

明日香「ぜひお迷いください…できるだけ長く」
迷うお客さんにニコニコしながら時間を稼ごうとする明日香。しかし、客商売としては大変ありがたいことに、ファミーユの店員個々人にとっては単に大変なことに、飛ぶように売れるケーキ。並ぶお客。

由飛からブッシュドノエルの切れ端をもらった玲愛が「何よ、美味しいじゃないのよ」って言わなかったのが残念です。

芳美「クリスマスケーキの方も売れ行きいいみたいですし、これで安心して年を越せますね~」
瑞奈「儲かったお金で、お餅でも買うの…?」
安心して年を越せるってのは江戸時代には家賃とかツケの取り立てが年末だったからじゃなかったっけ?そういうのを全部支払って、餅を買うお金が残ったら良かった良かったっていう世界だったと聞いたような。その辺の事情は古典落語の「芝浜」に詳しい。

パティシエール二人のサポートでオペ看状態の仁。汗拭いたり道具出したりするのは「器械出し」って役割でしたっけ?何故かおやつまで出させられているのはクスリと笑える。どさくさに紛れて「あーん」を要求する恵麻とそれに乗るかすり。

見事完売。キッチンで二人きりの恵麻と仁。
恵麻「すごかったねぇ…今日」
仁「だってクリスマスイブじゃん…世界で一番ケーキの消費量の多い日だ」
恵麻「その中で、ファミーユの商品の占める割合は?」
仁「その数字を聞いてどうするつもり?シェア20%でも目指す?」
恵麻「素敵ねぇ…仁くんとわたしのお店が、五大陸のうちの一つを制覇」
仁「…南極大陸?」
恵麻「あはは…配達は任せた」
仁「しょうがない、明日から犬を飼おう」
恵麻「シベリアンハスキーなんか最高かも~」

この辺の軽妙なセリフ回しとか丸戸史明のらしさを感じてとても好きですね。しかし、南極か。♪~荒野より君を呼ぶ~僕のために立ち止まるな~♪

恵麻から売上四倍を祝う、25日0時からの祝杯のお誘い。25日0時からの祝杯は24日の延長の「恋人のクリスマス」なのか、25日の「家族のクリスマス」なのか、戸惑う仁と「い~の!25日なの!」と主張する恵麻。

用事があると言う仁。それは勿論、里伽子との約束のこと。恵麻がこの辺を察せるのは、結局仁を巡って里伽子と同じ土俵に立っているからに他ならない。

恵麻「リカちゃん、戻ってきてくれたんだ。仁くんの、ところに」
仁「あ、いや、その…」
恵麻「そっかぁ…そうなんだぁ。わたしにあんなこと言っておいて…結局、面倒みちゃうんだ」
仁「姉さん…?」
恵麻「ずっるいなぁ…どっちが甘いんだか」

恵麻さんは当て馬かわいい。「行ってらっしゃい、リカちゃんのところに」と言いつつも「里伽子が来なかったら自分のところへ来い」とも暗に言っている恵麻。

恵麻にとっては仁への好意を家族愛以外の形で表すことは社会的な障害があるし、加えて「里伽子に譲らなければいけない」と思っているフシもある。仁と里伽子が上手く行かなかった責任の一端が自分にあることを自覚している。でも、ワンチャン狙ってるところがあるのは恵麻の弱さか。苦笑




今日はここまで!

戯画「パルフェ」プレイ日記24 里伽子3

里伽子ルートの第3クォーターに入ります。
由飛やら玲愛やらと新たな人間関係を築いていく仁を見て、内心複雑な里伽子を見てニヤニヤすれば良いと思います。


○11/15 第3クォータープロローグ
終業後の時間。キュリオはお茶会。
キュリオの石田くんは玲愛狙いだったらしいけど、一時間の説教を食らって夢破れたらしい。ガード固いなぁ、玲愛は。

板橋「そういうキツイことばっか言ってるから、君の周りの男って、仁くんだけになっちゃうんだよ?」
稀に素晴らしい精度で真理を突く板橋。仁が話題になると途端に狼狽する玲愛。仁をお茶会に呼ぼうと提案する板橋。呼びに行けと言われる玲愛。何故か、仁を招待すること自体には反対しない。このツンデレめ。ツンデレの鑑め。

で、ファミーユの方は由飛が仁のオムライスを食べている。里伽子の助言通り人気を博しているオムライスは働いている由飛にとっても憧れの一品だったようで。高村仁「卵の王子様」襲名ww

苦労を見せず頑張る仁を妙に褒める由飛。どうも仁のひたむきな姿と自分との落差を感じているようですよ。珍しくシリアス。BGMも消してるし。

由飛
「わたしは、嫌なことがあったらすぐ逃げちゃうから…正面から向き合うこと、しないから…」
「だから、成長もしないし、いつまでたっても、仲直りできない」

由飛の台詞はこれ以上ないくらいに伏線臭い。丸戸は看板ヒロインについてはある種の手抜きをしているというか、何というか。いやでも、由飛ルートはなかなか悪くないんですけどね。

恵麻が姉になった時、どういう気持だったかを尋ねる由飛。初恋の人が姉になるのは苦しかったけれど、これは特殊なケースだからと仁は言う。でもまぁ、由飛は何らか共感するものがあったようで。真剣な表情で聞いて欲しい話があると仁に言う由飛。その会話をまずい感じに聞き間違えて乱入する玲愛。

由飛「どうして、わたしがここにいるって…?」
玲愛「いや、そっちは…ずっと前から気づいてたけど。ちっとも隠れてなかったし…姉さん」
そうです。由飛と玲愛は姉妹だったのです。な、なんだってー!?板橋の「修羅場?」って発言が正しいような、違うような…。

冬の夜の~、寒さも凍らす、姉妹かな~?
って、詠んでる場合じゃない。




○11/16 昼下がりの妄想(恵麻通常)
トリトンホテルのディナーに恵麻を誘う板橋。間に入ってくる仁は何故かトリトンホテルに詳しい。どうやら里伽子を誘おうとしたことがあったようで。何だかなぁ…。

板橋「…朝っぱらからホテルにしけ込もうってか?お姉ちゃん相手に大ハッスル?」
物騒なことを言うものではありませんwww

仁「帝王大卒。大手商事に勤務。20代後半にして課長級。当時の年収一千万超。姉さんと結婚するにあたって、一戸建て兼喫茶店をポンと建てるような人間だ」

神の如きスペックを誇る杉澤一人で仁の前に立ちはだかる一人。それほどの男と結婚したせいで男へのハードルが上がり「だから仁くんしか残らないんだ」と板橋。こいつ、実際のところ切れ者だよな、なかなか。

板橋「八橋大在学中、人気喫茶店に勤務。20歳にして店長。年収はさておき、恵麻さんを元気づけるためだけに、大学をポンと一年休学するような人間だろ、君は?」

こう考えると仁、超かっこいいな。何をするにも里伽子の力が必要ってところを除けばな。お前は島野育夫がいないと何も出来ない星野仙一か!そして、板橋の巧みな話術。あと名曲「落ちる涙の蒼」がかかるもんだから威力倍増。

板橋「確かに、君のお兄さんが忘れられないのかもしれない。でも…君の告白を待っているという可能性は、果たしてゼロなんだろうか?」

ダメダメなシスコン妄想に堕ちる仁。
かすり「このシスコンちっとも直ってやがらないねぇ」




○11/16 花鳥姉妹の真実(玲愛、由飛強制)
うたた寝をしていた仁はインターホンの音で目覚める。急に訪ねてくる玲愛。しかも、なんだかしおらしい。

玲愛「…こんばんは」
仁「………」
玲愛「………」
仁「…夢か」
しかもかなりあり得ない夢だ。なんて思いつつ、ドアまで閉めてしまう。ありがちだけど、こういうベタなノリ嫌いじゃないぜ。で、玲愛の怒りを買うと。

お詫びのコーヒーに苦いと文句をつける玲愛。
玲愛「夜にこんなの飲んだら、眠れなくなっちゃう」
おい、お前、何か可愛いな、おい。

玲愛はどうやら由飛について話しに来たようだが、仁はそういうのは本人の口から聞くべきことだと言って聞きたがらない。こっちの都合だけで仲間のことを詮索したくない、と言う仁はなかなかカッコイイ。しかし、そのカッコ良さが由飛に向いてると玲愛的にはちょっと複雑な気持ちで、意識してはいないけれど妬けちゃう訳で。

インターホンが鳴る。折り悪く由飛の訪問。ベランダに隠れる玲愛。素早い。玲愛が「苦い」とか「安い豆」とか言ったコーヒーを美味しいと言う由飛。その言葉が嬉しくて、仁は「いつでもおいで」なんて言ってしまう。

由飛「毎週は迷惑でしょ?」
無意識な積極攻勢だなぁ、風美由飛。

コーヒーで一服して、冷たい手をにぎにぎして、ちょっと良い雰囲気になって、話が始まる。まずは、二人の出会いがいかに運命的だったかという話。ちょっと臭い、なんて言ったら怒られるだろうか。

由飛はバイトの店員が『店長さん』に話すのではなく、由飛が仁に話す、という関係を望み、呼び方も「由飛」と「仁」に変わる。でも「仁」と呼ばれて脳裏に過る里伽子の存在。仁が後ろめたく思う必要なんてないはずなんですけど、いや、でもまぁ、うん。未練がましいというか、なんというか。

仁、由飛と呼び合って笑い合っているとベランダから厳しい視線。由飛との関係を深める仁に対して花鳥玲愛の威嚇。どういう気持ちでやってるのか自分でも分かっていないだろうに。

で、ついに本題へ。ピアノの才能を買われ音大まで進んだ養女の由飛、ピアノの才能が無く両親に反発して大学にも行かずに社会へ出た玲愛。で、何故だかギクシャク。由飛も玲愛も互いを思い合っているんだけれどね。

取り敢えず、今日は「由飛」と「仁」になったのが収穫ということで。玲愛はそれがご不満のようで、くしゃみをしながら鏡にルージュの伝言、ならぬ相合い傘を描いて出て行きました。




○11/17 四回忌(恵麻重要)
一人の四回忌で帰省する恵麻と仁。三年前の11月17日が命日。結婚したのは、その半年前だから5月の中頃か。ファミーユが完成したのは一人が死ぬ直前で、当時仁は高校3年生。その翌年にファミーユ開店か。なるほど。

あ、何で6月18日が火事の日なんだろって思ってたけど、あれは一人の命日に近い休みの日だったからか。そっか。でも、そうなると一人の命日が11月17日である理由とか考えちゃうな。10月~12月に共通ルートが展開する話を作る上で真ん中辺りに一人の法事をするってイベントを入れたかったのかな。

まぁ、それはさておき。
高村家の四人だけでひっそりと、普通はしない四回忌。

縁談を断固として断る恵麻。
「いくら待ったって、もう仁はお前をもらってくれないだぞ?」という父の冗談が冗談にならないんですけどね。おいおい。しかも、許嫁だった訳ですか。高村家も杉澤家も結構古いな。

「仁を引き取るときも、恵麻が泣いて嫌がったんだよ。弟になったら、結婚できないって教えたらねぇ」と母。おいおいおいおい。「今日からは本当のお姉ちゃんだからね」という、引き取られた当時の恵麻のセリフは、そういう葛藤を超えたところにあった訳で。

仁が初恋だった恵麻。『いい子にしてたら、仁くんがお婿さんに来てくれる』と聞かされて育ってらしい。なんとも、なんとも。勿論仁の初恋も恵麻だったわけで、実は結ばれていたかもしれない別の未来を思うと胸が切なくなったりするかもしれない。




○11/17 里伽子VS玲愛(里伽子通常)
恵麻の重要イベントと重なるせいで里伽子のTrueルートでは見られないイベントなのんですが、楽しいので載っけときます

玲愛「あ!やっと帰ってきた」
仁「ん…?」
玲愛「どこ行ってたのよ!どうせ彼女もいないくせになに遅くまで出歩いてんの?」
休業日の水曜に買い物をしてぶらついて、帰ってきたら隣人からきつい一言。おいおい、随分と喧嘩腰だな、おい。

で、勝手に仁の部屋に上がり込み、きれいにされた鏡を確認し、勝手にお茶を入れ始める。どうやら玲愛は由飛の押し掛け戦術を見習って、どんどん私生活にも踏み込んでいく方向にシフトしたようだな。違うか。笑

玲愛「あ、座ってて。昨日、大体の配置は把握したから、お茶は私が淹れる」
仁「…なんでよ?」
玲愛「なんでって…あんた外から帰ってきて疲れてるでしょ?」
仁「………」
恐らく、なんでの内容についての誤解が生じている。笑

玲愛「さっきまで…夏海さんって人がウチに来てたのよ」
仁「ぶっ!?」
玲愛「…なるほど、やっぱり重要なポジションか」
仁が噴き出したお茶がかかったのも気にせず、話を続ける玲愛は笑える。アッパー系真面目人間とダウナー系真面目人間って表現は良いね。

仁の忘れ物を届けに来た、と言っていた里伽子。会いに来ただけなのかも、と推測する玲愛は察しが良い。流石である。寒そうだからと部屋に上げてやって、仁の悪口で盛り上がった二人。

里伽子「あなたにそこまで言う資格があるとは思えない」
玲愛「あ、あれ…?」
里伽子「お隣さん?お向かいさん?でも、たった一ヶ月よね?」
玲愛「な…夏海さん?」
里伽子「仁の何がわかった?随分な洞察力。あたしなんて、三年一緒にいてもわからないことだらけ。恵麻さんには、到底追いつかない…」

しかし、まぁ、里伽子にとって仁の話題は大変センシティブですからね。自分の立場ははっきりさせないけど、特別の存在であることは譲らない。でも、恵麻に対する劣等感は強烈で・・・。

急に感情的になった里伽子に戸惑う玲愛。庇った、庇ってないの言い合い。里伽子は玲愛が仁を悪く言い過ぎるからだと言うけれど…。

玲愛「だってあいつ、人によって態度全然違うし。特定の人間だけひいきするし、性格悪い」
里伽子「子供の頃から、お兄さんと比較されてきたのよ。だから、その反動。本当は、限りなく優しい奴」
玲愛「すぐに人に頼るし…末っ子の悪い見本」
里伽子「あいつが頼るんじゃなくて、周りが構うの。なんとかしてやりたいって思わせる何かがあるのよ」
玲愛「できもしないような大口叩くし。キュリオに勝つとか…要するに見栄っ張りなんですよ」
里伽子「できもしないことでも、やせ我慢して頑張るのが仁なの。それに…キュリオには、あたしが勝たせてみせる」

強烈な自負心を見せる里伽子。まぁ、何への自負心かっていうと説明は難しいけど。俺は里伽子に問いたい。あんたは仁の何なんだ?あ、嫁ですね。はい、分かってました。里伽子は仁の嫁。

玲愛「今、私が言ったことって、全部、あなたが言ったことの受け売りだって気づいてます?」

強キャラ里伽子を黙らせた一言。仁が絡むと傍若無人にもなる里伽子は「あたしは仁をどんなに貶しても良いけど、他の人間が言うのは許さない」というスタンスなんですよね。

玲愛「もう一度聞きますよ?本当に、あいつとは、何もないんですか?」
里伽子「……………………ない」
この玲愛の攻撃は鮮やかだ。

回想終わり。玲愛はどうも里伽子の物言いが気に入らなかったらしい。何が気に入らないのか自分で分かってないから苛ついているんだけど、これって、ちょっと良いなと思ってた男の傍に「あんた彼の何なの?」みたいなデカイ態度の女がいて、ちょっと癇に障ったって奴じゃないでしょうか・・・。

里伽子と仁が付き合っていないという話を信じない玲愛。仁はお茶漬けを勧めて玲愛を帰らせようとするも「いただくわ」って言われてしまう。こういうちょっとした笑い大事だよね。

仁は結局、半年前に里伽子に告白して振られたって話をしなかったが、これをしてたら「え、振ったの?夏海さんが?嘘っ!?」って言いそうだな。多分、この時点の玲愛なら仁と里伽子とをくっつけようと奔走したんじゃないかって気がする。




○11/18 呼び捨て(里伽子通常)
里伽子と由飛、初の接触。あ、里伽子が営業時間内に来店するのが初か。

里伽子のことを知らない由飛は普通のお客様として里伽子を迎える。フロアにいるのがかすりなら「あ、リカちゃん。ちょっと待ってね、仁くん呼ぶから」とかなるんだろうけど、由飛に察してもらうことは出来ないし、自分から言い出すわけにもいかないし。

由飛「どうかなさいました?あ、ひょっとして待ち合わせですか?」
里伽子「そういうわけじゃないんだけど…かすりさんか、明日香ちゃんは?」

取り敢えず、かすりか明日香を呼ぼうとする里伽子。ここで「仁、いる?」と言える性格なら、里伽子と仁はあっさり上手く行ってそうなもんだけど。でも、かすりや明日香は呼べても仁は呼べない、というのは、うーん、何というか…意識しすぎだろって感じも。

由飛「あの二人のお友達?」
里伽子「あ、いや、だから…」
由飛「かすりさんはどっかにいますよ?ちょっと探してきますね」

機微を読むということに関しては全くの不得手である由飛は早合点をして探しに行ってしまう。と、いうか、フロア担当者が自分しかいない時に店を空けてしまうなよ、と。

里伽子「仁~」
仕方なく自分で呼ぶことにした里伽子。それは良いのか。うーん、他の人に仁を呼んでもらうのは照れくさいというか「二人はやっぱり」って思われるのはあれなんだろうか。

仁「初来店、だな」
里伽子「てことは、お金取るんだ、今日は」
仁「当然ですお客様」
里伽子「ふふ…」

ちょっとした遣り取りなのに里伽子が嬉しそうである。多分、仁にとっても感慨深かったんじゃないだろうか。だって、やっと新しいファミーユを里伽子に認めてもらえた訳だから。で、仁はサービスで黄金チャーハンを出してやる。

仁「いいよ、初来店記念。モーニングサービスだと思ってくれ」
里伽子「…ダイエット中、なんだけどなぁ」

困ったふりしつつも機嫌が良い里伽子。かすりを探して店からいなくなってしまった由飛を怒らないでやって欲しいと言う。そういや、モーニングが豪華なのって名古屋の特徴だよね。ささやかながら丸戸得意の東海ネタ?

由飛「あれ?仁?仁もそのお客様と知り合いなのぉ?」
里伽子「…仁?」
仁「んなことよりも由飛。お前、お客様をほったらかして何やってんだよ?」
里伽子「…お前?由飛?」

やっと戻ってきた由飛。里伽子は由飛と仁の遣り取りが引っかかった様子。お互いの呼び方やら、話してる時の仲良さそうな感じとか。で、やっと目の前の人が“夏海里伽子”だと認識した由飛。

由飛「そっかぁ…恵麻さんやかすりさんの言ってた『リカちゃん』って、あなたのことですね?」
仁「あ、まぁ、そうだけど…」
由飛「へぇ~、噂通り綺麗な人ぉ」
仁「え?あ、いや、それほどでも…」
由飛「なんで仁が謙遜するのよ?やだぁ、恋人じゃあるまいし~」

この間、里伽子はさっきまでの上機嫌が一転してご機嫌斜めな顔をしてるんだけど、空気を読めない由飛は気付かない。仁も気付けよ。いや、理由が分からないから無理かもしれないけど…。

里伽子「しばらく見ないうちに、接客の質が落ちたんじゃない?仁」
里伽子「新人のコのこと呼び捨てにしたり、呼び捨てにされたり…あり得ない」

公私混同が激しいと糾弾される仁。でもなぁ、それ、ちょっと私怨だろ。私怨だろ、里伽子さん。

仁「けど俺、お前のこと呼び捨ててたし、お前だって俺のこと…」
里伽子「………」
仁「………」
里伽子「あたしはいいのよ、チーフだから」

いつもの論理的な姿はどこへ行ったのか。「里伽子VS玲愛」の時もそうだけど、里伽子は仁絡みになるとダメですね。結局、里伽子にお説教を食らい『呼び捨て禁止令』を課されてしまった仁。気の毒と言えば、気の毒。




○11/19 噂の歌姫(由飛通常)
店内の客よりも外のオープンカフェを利用する客が多いことを不思議がる仁。と、オープンカフェに里伽子を発見。

里伽子「繁盛してるみたいね」
仁「お前のおかげでもあるさ」
里伽子「あたしは部外者だから関係ないけど」
仁「こんなとこにいなくてさ、中入ってくればいいのに。コーヒーくらいならご馳走するぞ?」
里伽子「店内で、そういうあからさまな贔屓はよくない。ここだって、こういった会話は望ましくないわね」

里伽子はいつも通り冷ややかな態度。仁からの「このあと空いてる?」には首を横に振るけど、仁が「じゃ、またな」とその場を去ろうとすると「…そういえば」と口を開く里伽子の複雑な乙女心。

里伽子「ほら、彼女…風美さんだっけ?」
仁「ああ、由飛のこと?」

機嫌を損ねる里伽子。だから呼び捨てはダメだってば。里伽子から由飛の「独特な接客」について聞かされる仁。歌うウェイトレス由飛。一度注意を受けたにも関わらずめげずに歌っていた。

なるほど、オープンカフェが人気なのはそれが理由でしたか。お客様にも人気でだし、仁は由飛に甘いから許してしまう。弱いなぁ、仁は。しかも「また買い物付き合って」とか言われっちゃってるし、手握られてるし。本妻(笑)の里伽子さん見てるんですからね。

この、由飛と仁の仲良さそうな遣り取りを見ていた里伽子の心中は如何ばかりか。タイプが違う里伽子にとっては由飛は眩しく映るに違いない。何せ自分が知らないほんの数カ月で仁に接近してるし、特別扱いされてるし。

そりゃドスの利いた「何がおかしいのよ」になるよね。怖っ。




○11/20 里伽えもん(里伽子重要)
帳簿の打ち込みを里伽子に頼んでしまう仁。あぁ、仁は機械オンチなのか。だから電動泡立て器も使えないのか、なるほど。そういえばファミーユは黒字に転じました。やったね。
里伽子は右手だけでやったんだよなぁ。健気。

里伽子「年内はずっと赤字だと予想してたのよ」
仁「おいおいおいおい!お前、俺に年を越させないつもりだったのか!?」
“可愛いふりしてこの娘、割とやるもんだね。”

仁が内心で引用したのは「待つわ」なんですけど、これは自分を振って他の女を取った元恋人がいつか振り向いてくれるまで待つって歌。それって、この場合に適切なのか?笑
どっちかって言うと、里伽子じゃなくて恵麻を取った仁と、未だ微妙な関係を保ち続けてる里伽子自身が歌うべきなのかもしれない。

仁「姉さんが戻ってくれたのは大きいなぁ」
“『もう一人戻ってきてくれれば完璧なのに』”
と、言外に里伽子も戻ってくれないかなぁとにじませるものの通じない。里伽子は、仁と恵麻の関係が絡むと普段の読みが利かなくなる。まぁ、このセリフの前の「姉さんに顔向け出来なかったじゃん」「姉さん、なんて言うかな?」が効いてるんですけどね。

里伽子「ひとし君はいつもいつもしょうがないなぁ…、って私は未来から来た猫耳ロボットですか」
ドラえもんに猫耳はないけれど。里伽子は仁の力になるにやぶさかでないけれど、それが全部恵麻のためなのかと思うと、何だか虚無感を抱くわけで、まー、損な役回りと言ってしまえばそこまでですが。

仁「何言ってんだよ…訳もわかんないひみつ道具なんかよりも、里伽子の方が頼りになるに決まってるだろ」

そういえば、ショコラの翠ルートでは大介が「お前は傍に置いておきたい道具箱」なんて言ってたなぁ。僕は翠派で里伽子派です。っていうか、里伽子は香奈子+翠って感じだよな。


回想シーン
仁が本人と位牌一人の一人二役で、里伽子をファミーユのウェイトレスにスカウトする時の話。大学一年の秋頃かな?高村と夏海で呼び合っている。

そういえば、23とか1000とか数字のイントネーションが里伽子はちょっと共通語と違うんだが、あれは里伽子の実家である浜松の方の言葉なのだろうか。

里伽子「…なんであたしなのよ」
仁「知り合いだから。頭いいから。美人だから」
里伽子「っ…そ、そんなこと言ったって、開店もしてないお店で働けって言われても」
褒められて狼狽える里伽子可愛い。


回想2
里伽子に手伝ってもらって恵麻のプレセントを選ぶ話。例年はケーキだったようだけれど、仁がブレスレットを贈りたいなんて言い出したことを訝る里伽子。

里伽子「だって…これって、恋人への贈り物だよ」
仁に聞こえない程度の声で言う。
実は仁は聞こえていたということがクリスマスイブに明らかになる。

そういえば、これ、いつのことなんだろ。本編で恵麻は誕生日を迎えてないから、多分年明けの初春あたりか。開店が大学1年の秋で、その年度末っていうのは考えにくいから大学2年の終わり頃かな?すると、仁はもうその頃には里伽子が気になってるはずだよな。

仁「う~ん…そうだ。なら、この2つのうち、里伽子ならどっちが欲しい?」
里伽子「あたしの趣味と恵麻さんの趣味とは違うってば」
仁「それでもいいから…ただの参考だから…」
里伽子「あ~もう、本当に苛つくわね仁はぁ!」

五時間も里伽子を連れ回し、二つまで絞って、更に里伽子が欲しい方聞く仁。主体性がないと里伽子に怒られながら、結局片方選んでもらう。

仁「あ、すみません。これ、両方ください」
里伽子「はぁ!?」
仁「こっちは包んで。あ、こっちはいいです」
里伽子「ちょっ、ちょっと…?」
仁「お前の、左だったよな。ほれ、つけてやるから、腕」
両方買って、里伽子が欲しがった方を里伽子へ。



仁「だって俺、お前の誕生日教えてもらってないもん」
だってさ!!うわあああああああ、こんなことされたら惚れるだろーよ、馬鹿野郎!!この天然タラシがああああ。
仁は「これって恋人への贈り物だよ」が聞こえてた上でやってるから、天然じゃないのか。こいつやるな。くそう。この野郎。

里伽子「もう、しょうがないなぁ、仁は」
仁にとっては情けない思い出かもしれないけど、多分里伽子にとっては愛しい思い出で。懐かしそうに、愛しそうに、里伽子は呟く。




○11/21 ショ○?(恵麻通常)
小学生時代の仁の写真で盛り上がる女性陣。体弱かったんだなぁ、仁。だから卵ばっか食ってたのか。いや、でも、卵ばっか食わされたんなら卵嫌いになる方が自然かも知れないなぁ。ショコラの大介はヤンキー時代の写真だったね。方向性は違うが黒歴史という意味では一緒。

止まらない恵麻の仁語り。一人、また一人と逃げていくファミーユ従業員たち。三次元ショタコンは頂けねえぜ、恵麻姉ちゃん。




○11/23 欧風喫茶店の面目躍如(里伽子通常)
外国人客の英語が分からないので店員達がお客さんを押し付けあう。明日香、かすり、由飛だと現役で一番勉強してるだろう明日香が一番有望だと思うんだけどね…。

由飛「明日香ちゃん?どしたの?外国の人に道を尋ねられたようなせっぱ詰まった顔して」
なぜピンポイントで当ててくるのだ、風美由飛。

ファミーユ店員、学歴逆自慢大会。かすりは高卒(?)、恵麻は専門卒、由飛は音大在学、明日香は学園生。八橋大は英文科が全国的に有名らしいけど、仁は経済学部。ちなみに一橋大には文学部はありませんが。

明日香「てんちょだし」
由飛「文系学生だし」
かすり「男の子だもんね」
恵麻「ごめん、仁くん…今回だけは、かばいえない」
仁「ひ~ん」

贖罪羊として選ばれてしまった仁。で、仁は追い詰められると頼れるあの子を思い出してしまう傾向がありまして。
“ああ、こんなときに、英語がペラペラな店員がいたら…そいや昔は…いたんだよなぁ。そんなスーパーエグゼクティブウェイトレスが。”

里伽子「ちょっと、どうして店に誰もいないの?」
英語ペラペラな元スーパーエクゼクティブウェイトレス里伽子が登場。助かりました。「in a ice pack」って言ってるけど「in an ice pack」が正しいような気がする。

皆に「戻ってきてほしい」と言われて「ごめん、ね」と悲しそうに答える里伽子。何が彼女をここまで頑なにしているのか、今はまだ誰も分からない。




○11/26 第3クォーターエピローグ
不審な動きをしている由飛を見て、仁を呼び止める里伽子。

里伽子「ちょっと仁…あれ、なんなの?」
仁「あれって?」
里伽子「ほら、由飛さん」
仁「由飛が…あ」
里伽子「………」
仁「由飛………くん、が、どうしたって?」
里伽子「…由飛でいいわ」

呼び捨て禁止令を破ったことについて無言の圧力で咎められる仁。しかし、今更「由飛くん」と呼ぶのもあれで、最終的には本妻(笑)からの許可を貰って「由飛」と呼ぶことに。

で、由飛が何をしていたのかというと、あれはファミーユの新サービス。百聞は一見にしかず。仁は里伽子に新サービスをお披露目。

まず出てきたのは仁特製の半熟オムライス。今やファミーユのナンバーワンセールスを記録している。夏海企画部長の敏腕ぶりが光りますね。仁曰く「養鶏業者並」の卵取扱量だとか。

里伽子「で、その、卵の仕入れと由飛さんのさっきの行動にどんな関係があるのよ」
仁「よくぞ聞いてくれた!実はな、卵が切れたら、由飛がああやってお客様の前で産んでみせ…すまん、俺が悪かった待てよ許せよ!」
スプーンで皿を叩いて抗議する里伽子。これは嫉妬も半分入ってるような…。

新サービスは由飛提案の似顔絵オムライス。自分がいなくても新しくサービスを考え、ファミーユはより良くなっていく。嬉しいような悲しいような、複雑な心境の里伽子。

里伽子が「もう、居場所、ないのかもしれない」って呟くのをきちんと拾ってフォローする仁。こいつ、里伽子の話は本当に良く聞いているのだ。で、完成した似顔絵を見て里伽子は頬を染める。可愛いな、お前。

その頃、キュリオにも似顔絵オムライスの出前が届く。玲愛の似顔絵付き。この玲愛いじりのチャンスを板橋と瑞奈が逃すはずがない。
瑞奈「…本当によく描けてるわね。モデルに対しての歪んだ愛情が感じられるわ」



玲愛「…何よ。………美味しいじゃないのよっ!」
はい、定番セリフをいただきました!



似顔絵がもったいなくて食べられない里伽子と玲愛。デレ方は二人共似てるんだよね。




今日はここまで!!

戯画「パルフェ」プレイ日記23 里伽子2

さて、里伽子ルートの第2クォーターです。
里伽子の計画通り軌道に乗り始めるファミーユの様子を御覧ください。

○11/4 第2クォータープロローグ
出勤した由飛が眠ってる仁と、仁を抱きしめて眠ってる恵麻を見つけて叫び声を上げる。
かすり「ネズミでも出た?」
キッチンの担当者として、その発言はどうなんだよ、おい。ま、ネズミっていうよりは泥棒猫だけどな!!(ギャグです。



「て、ててて…店長、同衾~!?」
「は、離れてくださいっ!不潔ですっ」
恵麻と仁の様子を見た由飛の反応。えらく古風な表現だな、おい。っていうか、由飛はその辺の風紀にうるさいキャラではあるまいに。

恵麻が戻ってきた喜びに、恵麻と仁に抱きつくかすり、明日香、何故か由飛も。
明日香のとこだけ「柔らかい塊が押し付けられる」って出したのは一番胸が大きいからだろうけど、でも、それ、かすりへの当て付けですか?

恵麻「嘘おっしゃい!ちゃんと話は聞いてるんだから!色々と汚い手を使って仁くんに嫌がらせしてるんでしょ!」
何故か、また朝礼に混ざるキュリオ店長板橋が弟溺愛モードの恵麻にひどい仕打ちを受ける。この話を吹き込んだのは、やっぱり里伽子なんだろうか。手段を選ばないなぁ、あの娘。

かすり「久々に見たねぇ…弟溺愛モード」
明日香「これがないとファミーユって感じがしないもんね」
お前ら楽しそうだなww




○11/4 二度目の宣戦布告(玲愛強制)
ファミーユの激安価格設定に驚く玲愛。「本気で頑張れ」と玲愛に言われたから、その通りにしたんだ言う仁。ちょっとカッコイイぞ。

仁「ありがとう・・・花鳥さん」
素直にありがとうを言われて、ついつい照れる玲愛。玲愛が仁を気になり始めたのはいつからなんだろう。既に脈ありな感じに見えるのだが。

恵麻の旗振りでダンピング作戦を敢行するファミーユ。ケーキ全品200円。従来価格の50%オフという投げ売りお買い得プライス。国際通商だったら貿易摩擦で国際問題になるレベルだぞ。

恵麻「具体的な目標を立てるわ。販売数でキュリオを上回るのに1月。売上で上回るのに、もう1月」
仁「ね…姉さん…」
恵麻「倒すわよ、キュリオ。みんな、気合入れて行きましょう」

目標まできちんと立ってて、妙にちゃんとしてるのが恵麻らしくない。仁の思う通り、これは里伽子の差金だろう。もー、結局世話焼いちゃうのか、あの娘は。仕方ないなぁ、里伽子は。

玲愛に恵麻の話をしていて、にやけ顔を指摘される仁。恵麻からもにやけていると言われる。玲愛が指摘したのは恵麻と一緒に働けるからかもしれないけど、恵麻が指摘したのは玲愛にちょっと良いカッコが出来たから出てしまった笑みなんじゃないだろうか。自覚はなさそうだが。

玲愛「何よ・・・美味しいじゃないのよっ」
恵麻のマドレーヌを一口食べての定番セリフ。思わずニヤリ。




○11/6 虫除け(里伽子通常)
里伽子を旅行に誘う初登場キャラの堀部君。同じゼミの仲間らしいけど里伽子の態度は至って冷淡で、仁に対する姿勢とは大違い。

里伽子「あたしが君たちと旅行に行ったところで、何かが得られるとは到底思わないんだけど」
これ言われたら、泣いちゃうかもしれないな。可哀想な堀部。

「仁は大学やめてない。休学するだけよ」
「それにあたしたち、別に切れちゃいないし」
「今日も仁の部屋から直接大学来たの。おわかり?」

まるで仁と交際しているかのような里伽子の口ぶり。って言うか「かのような」じゃないな。これは里伽子は「仁と付き合ってる」と明言している訳で。そんな時に仁がタイミング悪く(?)登場。里伽子が大急ぎで眼鏡を外すのが可笑しい。

里伽子「ちょうど良かった。今日はもう講義ないから一緒に帰ろうよ。晩ごはん作ってあげる。」
仁「いや、お前は…」
里伽子「行くよ仁。じゃ、そういうことで、堀部君」

“『俺の部屋になんて、もう半年も来てないだろ』”
仁は内心で思うわけだが、半年前って六月初旬か。家事があったのが6月18日だから里伽子と仁の仲がピークだった頃、というか、その直後にガタッと溝が出来る訳で。

里伽子「感謝しないわよ。仁が大学やめなきゃ、こんな面倒ごと、起こらなかったんだから」
二人きりになった途端に態度が豹変。どういう気持ちでこれを言ってるんだろうなぁ、里伽子は。仁が大学やめてから男が粉かけてくることが多くなったようだ。

仁が大学にいた頃は、里伽子と仁は公認カップルだったようだ。これは里伽子の作戦で、自分の虫除けと共に仁に虫がつかないようにしてるのと、周囲からの認識に現状を後から追いつけてしまおうという魂胆なんだろうなぁ。

里伽子「そっか…それで、会いに来て、くれたんだ。ふうん…ふぅぅん…」
ファミーユ再建策についてのお礼を言うために会いにきた仁。しらばっくれながらも、仁が来てくれたのが嬉しいのか「ふうん」が弾んでる。

里伽子「でも無駄足だったわね。当方、そのような美談には、一切心当たりがございません」
里伽子「………」←ふふふっ、っていう楽しそうな笑い声
目に見えてご機嫌な里伽子は往復30分の無駄足をして駅まで仁を送る。

仁は、自分が会いに来たから里伽子の機嫌が良いんだ、ってところまでは理解できている。それは勿論、仁にとっても嬉しいのだが、「また俺が誤解する」と内心は複雑。誤解じゃないけどな、それ。




○11/7 まぁでっかいケーキ(恵麻通常)
恵麻の仕込みを手伝う仁。たかが卵の泡立て要員と侮るなかれ。電動泡立て器は言語道断らしい。

恵麻「大きい方が良いに決まってるじゃない。」
仁「だから、その、お好み焼き屋のおばちゃん的な思想はやめてくれよぉ」
ワンホールの六等分を200円で売ろうとする恵麻。お好み焼き屋のおばちゃん、という例えは言い得て妙である。洋菓子職人のお高く止まった感がない恵麻。

かすり「・・・水がいらなすぎて入っていけない」
水入らずは油に水が混ざっていないという意味からの言葉。
つまり、恵麻と仁が混ざって油になっちゃうんですね。洋菓子店だからバターか?エロいなぁ。




○11/8 ケーキは売れる。料理は残る。(恵麻通常)
飛ぶように売れるケーキにご満悦の恵麻。焼いても焼いても空になるショーケース。ついつい、堪え切れずに更衣室で笑っちゃうくらい。

恵麻「凄い…凄い。売れてる…わたしのケーキ、めちゃくちゃ売れてるじゃない!」

しかし、こんだけ必死に作っても赤字かトントンぐらいなのか。やはり薄利多売というのは小規模店舗には厳しいな。販売量が安定すれば大きく仕入れて原価を下げることも出来るわけだが。

ファミーユの経営は人件費については少数精鋭で効率良くというブラック企業仕様で、販売は下手すれば売れても赤字の薄利多売方針。体制としてかなり危ないんだけど、これが出来るのは従業員が健康で、安くて美味いケーキに圧倒的な自信があるから。

安くて美味いケーキの販売量は確実に伸びていくはずだから、客を処理するホールの能力とケーキの生産能力とが、十分な利益が出るだけの販売量をこなせるレベルにあるのなら確実に人気店になれるわな。

一方の仁は軽食の注文が少なく、かすり曰く「まかないのおばちゃん」状態。かすりが頼んだ、ナポリタンとエビピラフのハーフアンドハーフを薄焼き卵で包んでケチャップかけた奴って美味しそうだな。




○11/9 いっつも二番目(里伽子重要)
急に仁が来て驚く里伽子。慌てて眼鏡を外す。眼鏡のところを見られたくなかったのか、里伽子の態度が剣呑だ。店は繁盛していて、大学は休学中で、どうしてここに来るのかと尋ねる里伽子。



仁「最低でも週に一回くらいは里伽子に会いたいじゃん?」
不機嫌な顔になる里伽子。でも、割と内心嬉しいんじゃないかと思うんですけどね。いや、冗談っぽいのがむかつくのか。

里伽子はノートを取るところを仁に見せない。左手が使えなくなって、まともにノートが取れてない。そんなことに気付くはずもなく、仁は里伽子の邪魔にならないように、と席を立つ。

仁「ああごめんなさいよ、その前に一つだけ」
里伽子「…トレンチコートの刑事さんかあんたは」

刑事コロンボ。今はこのセリフ、日本では杉下右京のセリフとしての方が有名ですね。“うちにはカミさんがいないから”って部分から間違いなくコロンボだと分かります。いや、仁、お前のかみさんは目の前の女性だ。

礼として水曜日に食事を奢りたいと言う仁、心当たりがないという里伽子。里伽子のことをそれなりに分かっている仁は、もうちょっとで墜ちそうだと見て粘る。もうちょっと深い部分まで里伽子のことが分かってたら、お互い苦労しないのにねぇ。里伽子がもう折れる、というところで恵麻から電話。

水曜日は恵麻の月例会があることを思い出した仁。「里伽子は自分が恵麻を優先することに理解がある」と仁は思い込んでいるし、里伽子自身もその思い込みを肯定するような態度なんだけど・・・里伽子さん、机を蹴っ飛ばして教授をビビらす程度にはお冠です。




○11/10 二人は仲良し?(玲愛通常)
定休日、部屋でゆっくりしている仁を尋ねる瑞奈。

瑞奈「いつも玲愛がお世話になってます~」
仁「してない、全くしてない」
多分即答だったんだろうな。こういうやり取りを見ると、主人公にもボイスが欲しくなる。僕は基本的に主人公のボイス賛成派です。玲愛がファミーユを褒めてたという情報を仁に流す瑞奈。背後に玲愛が迫っていることを気付きもせず「ジュリエット花鳥」とか言ってしまっているが。

玲愛「ハムレット川端・・・あなたに生か死か、選ばせてあげるわ・・・」
シェイクスピアは基礎教養ですよね。「川端~、後ろ後ろ~」はドリフです。志村けんの後ろから幽霊が迫るコント。

瑞奈「アイコンタクトで脅迫?やっぱり、通じ合っちゃってるんですね~」
この人、玲愛の怒りを買いながらも手を緩めない。なかなか勇敢だな。

仁からリンゴを奪い、齧ってから一言
玲愛「わらひがあんらやはみ~ゅをみろめらことらんて、ほれっぽっひもらいんらからねっ!」
これ、全然喋れない状態で憎まれ口を叩く玲愛が可愛いってことで良いのか?




○11/10 月例会(恵麻強制)
月に一度、姉弟の会食。恵麻は「デート」なんか言っちゃってるし、仁くんに腕絡ませてるし・・・なんだかなぁ。

仁が高村家の養子になって、来年1月で10年。両親を事故でなくし、歳の離れた兄と二人きりになった仁は母親の兄に当たる高村の家に引き取られた。そこの娘が、彼の従姉で初恋の人だった恵麻。

恵麻「今日からは…本当の、お姉ちゃん、だからね?」
それを言われた仁の心中は当然ながら複雑なものがあった訳ですが、一方言った方の恵麻の心中は…?

母から縁談の話。気が進まない様子の恵麻。「中古品だし」と茶化しつつ真面目に考えることを進める仁。いや、中古って言い方は…いや、その…あの…うん。苦笑

「仁くんは、わたしがもう一度お嫁に行っちゃってもいいの?」
「『どんなにいき遅れても、俺がもらってやるから大丈夫』って仁くんが言ってくれたから、今まで次々と断ってきたのに~」
恵麻の問題発言。その中で明かされた仁の問題発言。高校卒業して家を出た恵麻に当時高校入学前の仁が言ったというけど、その年でその姉弟関係ってどうなのよww

恵麻が一度お嫁に行くのも、二度行くのも仁にとっては変わらない。一度とゼロの間には無限に近い差があったけれど。もう恵麻は仁にとって手に入らない存在になってしまっているんだ。




○11/11 むずかし~(かすり通常)
忙しい店内。恵麻が戻ってきただけでは満足せず「里伽子がいたらなぁ」とか思っている仁。おいおい、未練がましいぞ。しかも、これはかすりのイベントだ。

「ちょっと仕上げを任せて欲しい」と恵麻に頼むかすり。下積み二年。いつまでも恵麻のサポートだけしているというのも寂しい物があるのだろう。が、教え下手の任せ下手の恵麻は10秒もかすりの作業を見ていられない。自信喪失気味のかすり。励ます仁。

仁「も、もう紙一重だってば!かなり姉さんの手際と味に迫ってる…と思う」
かすり「その紙はきっと壁紙で、裏側に分厚い壁がくっついてるのよね~」

軽口を叩いてはいるものの、凹み方は深いようだ。




○11/12 第2クォーターエピローグ
仁の居残り仕事。恵麻を付き合わせると悪いから帰るように仁が言う。

恵麻「ごめん、気が利かなかった。そういうことだったんだ~」
恵麻「それじゃあリカちゃん、ごゆっくり~」

ま、恵麻の誤解なんですけどね。里伽子さん流石っす。でも、店に入ってきた時の様子から察するに、里伽子自身も二人きりってのは想定してなかったのかもしれない。いや、或いは照れてるだけ?

店の軽食メニューを端から頼む里伽子。
里伽子「別に時間は気にしないし、毒見要員は沢山いた方がいいんじゃない?」
仁「なんで…」
里伽子「そろそろ頃合かなと思って」
仁「なんの…?」
里伽子「仁が、落ち込み始めるのの、ね」

恵麻のケーキが飛ぶように売れる一方、今一つ売上を伸ばせない軽食メニュー担当の仁がそろそろ悩み始める頃だと読んだ里伽子。仁のこと、何でも分かってるんだなぁ、この人は…。

“姉さんと里伽子の間には、ときどき、俺の入り込めない“秘密”が存在する。”
里伽子が恵麻に助言した件について仁は内心で言ってるんだけど、この“秘密”の部分をもうちょっと膨らましてくれたらシナリオ的にもっと面白かったのかなぁ、って思ったり。里伽子と恵麻との間にどんな遣り取りが存在していたのかは気になるところ。

里伽子「そんなに料理したい?」
仁「いや全然」
里伽子「………」
仁「別に俺、料理が趣味な訳でも、得意な訳でもないしなぁ…」
里伽子「そのくせ負けず嫌いなんだから…」
仁「ケーキが採算取れない以上、軽食で稼ぐしかないと思わんか?」
里伽子「で、本音は?」
仁「何でみんな俺の作ったものを食わないんだよ!」

ちょっと長いけど丸ごと引用してしまった。軽ーく仁の本音を引き出してくる里伽子。仁にもボイスがあればここのテンポも素晴らしく良かっただろうに。やはり主人公ボイスがあるという一点だけをとってもダメ恋は素晴らしい。



里伽子は食べる姿を仁に決して見せようとしない。それには深ーい、深ーい理由があるわけですが。仁は気付かない。それを不審がって金たわしを火にかけながらフロアを覗き見た仁は、眼鏡をかけて食べている里伽子を目撃する。

仁が戻ると、里伽子は眼鏡を外していた。里伽子は眼鏡を掛けてるところを仁に見せない。仁はそれを“俺に対して飾ろうって思ってくれてる”と感じる訳だけれど、どうなのかな。その点については、多分そうなんだろうな。

無理をさせないようにゆっくり作ると言う仁。少し戸惑って、少し嬉しそうな里伽子。くそぅ、可愛い。

散々仁の作ったものを貶した後、黄金チャーハンを食わせろという里伽子。思い出の品ですから、別腹ですよね。仁としては里伽子がそう言ってくれるのが嬉しいような、でも、今の二人の関係からすると複雑なような。

夏海経理・企画・営業部長の提案により、オムライスとカルボナーラとタマゴサンドの卵縛りメニューへ変更。



今日はここまで!!