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演劇

渡辺源四郎商店「エクソシストたち」

畑澤聖悟の新作を見てきました。
いかにも東北っぽい感じで良いですね。毎回、あの地域色あふれる言葉が持つ力を感じます。
八戸出身の奴と見に行ったんですけど「イタコがすげえ本物っぽかった」とのことww

てか、芝居だからそんなに怖くないだろって思ったら、普通に怖い。びっくりした。三上晴佳が憑依されちゃったり、二階で物凄い物音が聞こえたり、ってのがすごく怖かった。
そういえば物音が怖いってのだと「どんといけ」の時のラストの音(絞首刑の執行のドサッ!みたいな音)も印象深い。あんまり音響使わない劇団だけど要所で効いてくる。

で、全体的には緊張感に溢れてるんだけど、所々で笑いを挟んで気持ちを緩めてくるから、油断させられたところにシリアスなのが来て余計に響く。この匙加減の上手さが畑澤聖悟の持ち味だと思う。

でも何より、親と子の繋がりみたいなものを感じられたのが良かった。
父親から「お母さんのとこ行った方がいいんじゃないか?」って言われて「無理すんな」って言う娘ってとこが、芝居を見る時は血も涙もないと言われた僕の涙腺を緩めた。

渡辺源四郎商店、オススメです。
次回公演はあなたも是非。

青年団「ソウル市民」

ソウル市民の五部作を全部見ることにした。
まず、今日は一作目。89年初演の古い作品。

演出は最近の平田オリザっぽい。結構サービスしてる印象。
山内健司が何か言うたびに客席が沸きまくる。

昔はもっと尖ってたから、全部ぼそぼそ喋ってたんだろうな。四角いテーブルに7つ椅子を並べて、役者の背中を3つ客席に向けたりする辺り、尖ってた頃の名残があるかもしれない。

1909年の漢城がどうだったか知らないから、何がリアルなのかは分かんないけど、夏目漱石とか石川啄木とか与謝野鉄幹とかがネタになってるのは面白かった。

「悪意なき市民たちの罪」ってパンフに書いてあったけど、まさにまさに、多分当時の日本だと一番リベラルでちょっと金があって、朝鮮を好きな人達でも、全然悪気なく差別意識があったりする訳で、軍人が朝鮮人ぶん殴ってるとこを描写するより、余程面白いし恐ろしい、今から見たら愚かですよね。流石は知韓派の平田オリザと言ったところでしょうか。

手品師と手品師の助手は何だったんだろ。俺には分からん。いや、面白かったけどね。特にピンポン玉を山本雅幸がぶちまけるとこ。あ、今調べたら山本雅幸の役、06年に三部作でやった時はサンプルの松井周がやってたんだな。へー。

明日は1919年編を見に行きます。