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戯画「この青空に約束を―」 六条宮穂(2)

約二ヶ月ぶりでしょうか。
お久しぶりです。
さて、宮穂ルートの続きを最後まで進めましょう。

もう忘れるくらい前ですが、前回は宮穂と航がくっつくまででした。
今日はそこから最後まで。




そういうわけで結ばれてしまった二人ですが、航はそれなりに常識のある若者なので、避妊をせずにセックスしたら何が生じるかということに無頓着ではいられません。

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そんな時にまぁ、こういう茶化され方をしたら怒るわなww
で、無事に生理は今月も来たわけです。
あからさまにホッとした様子の航に、ややご不満な宮穂。

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そういう関係になったわけだし、今後もそういうことするわけだし、今後は気をつけよう、という話をしていて、ニヤニヤしだす宮穂。


二人はそういう仲になったとはいえ、取り敢えず暫くは秘密の関係ということに。共同生活の中でくっついちゃって、大っぴらに出来ない二人、というのが丸戸は好きなのだ。

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隠してることによって、何らかトラブルが生じるというのがベタな展開ですが、取り敢えず宮穂は明るい。




夕食の風景。
凛奈は陸上の大会に出てきたらしい。

【沙衣里】
「それがさ~、もう敵なし。
 1500も3000も断トツの大会新。
 正直、わたしたちのレベルで出るとこじゃなかったわ」

【奈緒子】
「たちを付けるな幽霊顧問」


やっぱ、この二人の遣り取り、良いなぁ。
「奈緒子」と陸上って、なんかビッグコミックスピリッツで連載されてた陸上マンガを思い出すわけですが、そういえば関係あるのかな。あれも島の話でしたけど。

食卓の話題が凛奈の快挙で持ち切りの中、宮穂は航の世話焼きを海己から奪い取らんと人知れず躍起に。いや、気付かれてないと思ってるのは宮穂だけですが。


宮穂と静が入浴中、航の尋問タイム。

【沙衣里】
「それでも年上が我慢すべきでしょう!
 猿かあんたは!?」

【凛奈】
「猿だよね」

【奈緒子】
「猿に決まってんじゃない」


バッサリ。
今後の方針としては「皆にバレてしまったなら、もっと大っぴらに彼女ぶる」みたいなことを宮穂に考えさせないため、バレていることが宮穂にバレないようにする、ということに。
ちなみに宮穂は「秘密なんです」と言いつつ静にバラしてたりする。駄目だな、この子www



夏休み最終日。
自由研究を進める宮穂と航。今日の予定を済ませて、滝村執事の運転する車に乗って、で、真っ直ぐ帰るかなと思ったら六条邸へ。これも一種のおうちデート?

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なんか、宮穂がひどくやらしいお嬢様になってるな。教育の賜物ですか?

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体温測ってグラフを付け、安全日ノートを作り、二重底引き出しに隠しているらしい。この用意周到なバカさが可愛かったりしますね。


航は宮穂に嗜虐心を煽られてしまってるわけですが、この辺の表現が丸戸独特な感じしますよね。ダメ恋の理くんも、割とサドっぽくなったりしてたし。愛しい人に傷つけられたがる、愛しい人を傷つけたがる、みたいな。

あぁ、そういう意味で言うと、セックスのみならず、愛しい人を傷付けて永遠に覚えておいてもらう、みたいなのもしばしば出てきますよね。ショコラの香奈子さんがそうだったし。

航の、何かメタっぽい独白があってこの項は終わり。
読者にとっては納得できても、登場人物には納得出来ないエンディング、というような内容だったけれど、さて何を暗示しているのか。





自由研究続き。星野家の納屋をひっくり返すして、宮穂の祖父の著作を探す。
この項が「ほんのちょっとした違和感」って題名なのが、たまらなく不安ですけど、どうなんでしょうかね。

【宮穂】
「わたし、いつか戻ってきたいです。この島に」


その、いつかがいつなのだろう。今といつかの間には、航と宮穂が離れ離れになっている時間が確実に存在するわけで、それが航を不安にさせている。

身分も違うし、一回離れてしまったらもう一度同じように関われるのかってのは不安でしょうねぇ。宮穂は物事を明るく素直に信じて捉える方だから、そうは思わないのかもしれないけれど。








薬局で「薬品の類ではなくて・・・」とか「化粧品の類でもなくて・・・」とか要領を得ない注文で店員を困らせた末に、逃げ出す宮穂。

【宮穂】
「わたしっ、頑張りました。
 一人でなんとかしようと努力はしたんです!
 でも…でもっ」

【宮穂】
「わたしには限界です…
 でも、どうしても手に入れなくてはならないんです。
 お願いです先輩、わたしの代わりに…」

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【宮穂】
「避妊具買ってきてくださいっ!
 あ、お金は出しま…きゃああっ!?」


もう、分かっちゃいたけどひどいwwww
そりゃあ、航だって蹴りますよ。


狭い島の中なので、航だって頻繁にコンドームなんか買ってたら大変なわけで、自動販売機を使うことに。

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まったく、生活感溢れるお嬢様だぜ。
そして、バカなコントをしながら購入の決意を固めるも・・・

【宮穂】
「すいません!
 この1万円札、全部500円玉に
 両替していただけませんか?」

【店員】
「…今ならこっちの3箱買うと、
 1箱おまけについてくるよ?」


お後がよろしいようで。






図書館に資料を返しにいく宮穂。
滝村執事と共に、車中に残される航。
沈黙が続くこと5分。

【航&執事】
「あの…」
「星野様」


意を決して声をかけようとしたら、重なってしまう二人。
おいおい、ラブコメかww

宮穂の両親が何故、島での寮生活を許したのか尋ねる航。
そりゃまぁ、祖父祖母の思い出の地だって言っても、可愛い一人娘だし。

【執事】
「お嬢様の…
 生まれて初めての、我が侭だったからです」


滝村執事から語られる、島に来て朗らかに、生き生きと過ごすようになった宮穂の姿。最初からそうだったように思っていた航にとって、それは意外な話。

宮穂が滝村執事に話しかけるようになったのも、この島に来てからなのだとか。友達の話を良くするということで、会長について聞いてみる。

【執事】
「外面も内面も能力的には素晴らしいのですが、
 ところどころ、妙に安普請な部分があるのが、
 とても親しみやすい、という感じでしょうか?」


宮穂がどんな伝え方をしているのか想像すると笑えるけど、滝村執事の的確な要約にも笑いを禁じ得ない。


で、もうちょっと踏み込んで、航と宮穂の関係について。滝村執事は二人の関係について、間違いなく知っているが、何も咎め立てはしない。その理由は「お嬢様の“夏休み”だから」とのこと。

つまり、いつかは終わってしまうのだ。宮穂は島を離れ、そこであったことは思い出だけになってしまう。とても残酷なことを、さらりと語る滝村執事。

つまり、星野航と六条宮穂は将来を共有できない二人なのだ。







季節は秋。
文化祭での発表を目前に控え、自由研究も大詰め。
あ、そういえば星野航は生徒会長に就任したらしい。

【航】
「権力というモノは使ってナンボだということを、
 二人の人間から教わったからな」

【宮穂】
「…二人目が誰か気になるんですが」


まあ、自覚があるだけ良いということで。

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そろそろ二人の自由研究も終わりということで、改まって航に礼を言う宮穂。
しかし、何か、この言葉は航にとって複雑かもなぁ。
「まだ終わってない」ということで、航は現状の引き伸ばしを図る。

しかしまぁ、航は航で考えているようで、残りの見つかっていない資料が見つかるかどうかで賭けをすることに。

【航】
「ま、要するに、俺だけのものになれ…って意味だ」


無邪気な宮穂は気が付かないが、これは航にとって、ある種の戦いなのだ。未来の宮穂にとって、星野航を過去の存在にさせないための「味方どころか、敵もいない孤独な戦い」なのだ。





文化祭当日。
昨年は大暴れを見せた航ですが、今年は生徒会長なので仕切る側。
奈緒子と海己に勧められるものの宮穂の展示に顔を出そうとしない。
その理由はまぁ、前項で始まった孤独な戦いに航が敗北したからで。

外ではキャンプファイアーが始まった頃に、漸く顔を出す航。
皆のところではなく、ここで二人で踊ることを提案する宮穂。

【宮穂】
「わたし…とうとう、やりました。
 この島に来た目的を、果たしたんですよ」

【宮穂】
「大好き、です」

【宮穂】
「絶対に、忘れません」

【宮穂】
「だから、あと少しの時間…
 わたしを叱って、わたしをいじめて、
 そして…わたしを、可愛がって、くださいね?」


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目前に迫ったつぐみ荘の廃寮。
その時に生じる別離を宮穂は受け入れようとしている。
そんな宮穂を、航は肯定できない。

【航】
「お前、本当に俺のこと好きなわけ?
 あっさり、いい思い出になるくせに、
 大好きだって、言えるわけ?」


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【航】
「残念ながら…
 俺は、あっさり思い出に成り下がる気はないからな」

【航】
「俺、今なら自信あるからな。
 お前の好きより、俺の好きの方が、強いって」


ひどく未練がましいけど、航がとてもカッコイイ。





12月。
寮に宮穂の姿はない。
文化祭以来、つぐみ寮に姿を見せない。

夕方、電話の後で出かけようとする航。
寮則で「ごはんは揃って食べる」と決まっている。寮則を破るほどの重要な用事なのか、と海己が問う。

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それほど重要な用事ということは、宮穂のこと。
鈍感な海己でもそれは分かる。

航は多分、見つからなかった宮穂の祖父の著作を探し続けているんだ。
文化祭の時点では敗北してしまった賭け、孤独な戦いの延長戦をしているのだ。



サザンフィッシュに顔を出す航。
滝村執事がサザンフィッシュのパフェを持ち帰ったり、駄菓子屋で買い物をしていたりする目撃談を三田村兄妹から聞く。

>宮の奴…
>俗世と縁を絶って、屋敷に引きこもった割りには、
>一度染みついたジャンクフードの味が忘れられないらしい。
>…相変わらず、可愛いな。

航いいなぁ。
切ないなぁ。

サザンフィッシュを出た時、SEで車のエンジン音が入ったけれど、これは多分、滝村執事の運転する高級車だったんだろうなぁ。





生徒会総会。

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本筋と関係ないんですけど、可愛かったので貼っときます。
さて、今回の議題は、前会長であらせられる南栄生の御前のご意向により「六条宮穂のつぐみ寮及び高見塚学園復帰促進について」ということに。

沙衣里が家庭訪問に行っても、寮の仲間が訪ねても、宮穂は引きこもったまま出てこない。まぁ、引きこもった原因が行かないことには無理ですよねぇ。

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宮穂を迎えに行け、と皆から言われるものの、航は行こうとしない。もう少し待ってと言い続けて一ヶ月。航はクリスマスまでに、と孤独な戦いの延長戦への勝利を誓う。




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クリスマスイブ。
今日も苦しい言い訳で面会謝絶を告げる滝村執事。
どんな病気で寝込んでいるのかを聞かれ、返事に窮する。

【奈緒子】
「なんちゃら患い…ってやつでしょ。
 そりゃ、伝染られたら色んな意味で困るだろうね~」

意味深に笑う奈緒子。
いやまぁ、それは伝染るというより、割と皆、既に感染してるんですけどね。
「クリスマスパーティのご馳走」の大荷物を屋敷の中に運び込む面々。

宮穂の「お、美味しい………寂しい………っ」が現状を要約してるなぁ。
寂しさを噛み締めながら、宮穂は海己が作ったご馳走を食べる。

【宮穂】
「あの人に…叱られたい。いじめられたいっ。
 どんくさいどんくさいって、すっごく優しい目で、
 こつんって、やられたいです…っ」

【宮穂】
「先輩…先輩…っ、
 ご、ごめんなさい、ごめんなさぁい…
 わたし、だって、わたしぃっ…」

窓に当たる石の音。
当然、そこには航がいた。

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宮穂は航に会いたかったはずだけれど、顔を見て、改めて、終わってしまったのだということを確認して、航を拒絶する。

【航】
「嫌だ、嫌だ、絶対に嫌だ!
 次の約束がない限り、お前と離れてなんかやるもんか!」

【宮穂】
「ちっとも迎えに来なかったくせに!
 二月もわたしを放っておいたくせにぃっ!」


なんで二ヶ月も顔を見せなかったか。
航が、一人で延長戦をしていたことを打ち明ける。
まだ全部揃っていないから、少し決まりは悪いけれど、それくらい卑怯な手を使っても、宮穂を放したくなかったのだということは宮穂伝わる。

【航】
「お前の尊敬するじいちゃんは…やったぞ?
 お前と同じ境遇のばあちゃんを、
 自分のものにしてみせたぞ…?」


でも、航はエルガーのようにはなれない。
将来、宮穂の隣にいる人は、優しい人なのだと宮穂は言う。どんくさいと罵ったり、いじめたり、ましてや蹴ったりなんかしない。乱暴に好きだとささやいてくれないし、思いきり抱きしめたりしてくれない。

そんな優しい人に抱かれながら、航のことを思い出すのだ。
そう宮穂は言う。

【宮穂】
「ほうら…ざまぁみろですよ…っ!」


勝利宣言のはずなのに勝ち誇れない宮穂。
ずっと航に縛られ続けると、宮穂は宣言してしまった。

【航】
「お前…俺のこと好きだろ?」


この辺、パルフェのラストで里伽子を口説き落とすところに似てるかもしれない。自分が相手を愛していることを伝え、相手が自分を愛しているということを突きつける。



ついに負ける宮穂。
そして、二人は皆が待っているつぐみ寮へ・・・

【???】
「お嬢様を…どこへ連れていくおつもりで?」


というところで、滝村執事が立ちはだかる。
航には、滝村の態度の変化が理解できている。
宮穂の思い出になるだけの人間から、将来へ影響を及ぼす人間に航の立場が変わったから。

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【航】
「滝村さん…
 ようやく俺は、認めてくれたんですね?」

【執事】
「ええ…
 あなたは、お嬢様に近づく、不逞の輩となりました」

【航】
「光栄です…」

【執事】
「今日のところは…見逃します。
 …まだ、“夏休み”ですから」


島の小僧が六条家の脅威として滝村に認識されるのだから、それは光栄と言う他ないですよね。ここの二人の遣り取り、かっこよくてしびれた。

その後はクリスマスパーティだったわけですが、寮の他の面々が都合良く宮穂と航だけ早抜けさせてやったのが、笑えるというか、気が利き過ぎというか。

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珍しく、男側が描かれてるシーン。
丸戸史明シナリオのゲームは、割と男も顔を出しますよね。「ままらぶ」と「ダメ恋」は殆ど出てたような。

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大晦日。
海己と宮のおせち作りを楽しそうに眺める宮穂。
そういえば、宮穂が初めてつぐみ寮を訪ねた時、航と二人で食べたのがおせちの残り物だった。

一方の航は、今は使われていない旧男子寮の大掃除。
探し求めていた最後の1ピース、宮穂の祖父が作った校内新聞22号が発見される。
それを最も喜んだのは、賭けに勝った航ではなく、賭けに負けた宮穂。

【航】
「こら人の話を聞け生涯奴隷!
 お前は、来年から身も心も俺のものなんだぞ?
 わかってんのかよ!?」


泣き笑いが止まらない宮穂。
響く除夜の鐘。

【宮穂】
「今年も…いいえ、ずっとずっと…永遠に、よろしくお願いしますっ」






エピローグ
五年ぶりに開かれる、六条邸の宮穂の部屋。
部屋の窓から宮穂が島の、五年経ってもちっとも変わらない景色を見下ろす。

【執事】
「当初からのお約束の通り、滞在期間は三日間ですからね」


今回の滞在も、宮穂の両親が特例で認めたことだと滝村は言う。五年前も半年間のはずが、その倍いてしまったということも付け加える。

【執事】
「わたくしも、あの時は甘かったと反省しています。
 お嬢様のこの島での生活が、美しい思い出になるのならと、
 つい仏心を出したのがいけなかった…」


滝村が呆れ顔で語る、星野航の五年間の武勇伝。
宮穂の部屋から見えるアパートに住み、何度追い払っても屋敷に通い、使用人を調略し、滝村の目を盗んで入り込み…。

今では、宮穂の両親さえ負けてしまい、最後の砦が滝村本人。
彼としては、航を近づけてしまった負い目もあったのかもしれない。
航も航で、滝村に敬意を払っていたというのが、何とも憎いねぇ。

【航】
「5年もかけやがって…
 俺は『次の夏休み』って、言ったよなぁ?」

【航】
「で、そのお嬢様は、
 自分とこの新入社員と、この島の新任教師と、
 どっちのモノになる?」


出水川重工の内定と教員免許を取り、宮穂を待っていた航。
星野航は筋を通す男だ。

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と、いうわけで、宮穂ルートでした。
身分違いのお嬢様と結ばれる話、というと、どうしても障害を跳ね除ける話を書きたくなってしまいますが、そこは丸戸史明。二人の気持ちが通じ合うまでが大事なんだ、ということでシナリオを作ってきました。

ただ、22号が発見された辺りはちょっと弱いですよね。大事なのは、宮穂が屋敷から出てくるところなわけで。あそこで全部揃ってる状態だと安易かなとは思うものの、盛り上がり的にはそっちの方が良かったのかも。

宮穂は良いキャラクターでした。



今日はここまで!!