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戯画「この青空に約束を―」 浅倉奈緒子(2)

奈緒子ルート後半戦。

航からの本気のアプローチにまんざらでもなさそうだけれど、一方で誓約違反を指摘するという、矛盾した感じの奈緒子です。さてさて、二人を隔てているものは一体何なのか?
二人の過去の因縁が語られますよ。



回想。2年前。
中学3年生の航。
初対面の奈緒子を呼び捨てて、デートに誘う。
ひどくヤンチャで、馬鹿で、未熟だったんだな、航は。

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だんだん仲良くなって、勉強を教わったりして。
当時の奈緒子は今とはかなり違って、真面目で良い子。
航のことも「星野くん」としか呼ばない。
内弁慶、なんて表現もあったな。外だと大人しいとわけだ。
彼女にとって航はまだ外の存在ということね。


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「好き」と言葉にする方法を尋ねる奈緒子。
卒業する先輩に告白したいけれど、出来ないということなのか?
茶化し半分だけれど、ちゃんとアドバイスする航。

ある時、奈緒子は航とのデートをOKする。
買い物をして、航をカッコイイ彼氏に仕立てて、そして先輩に「鉢合わせる」。
気になる男にボーイフレンドを見せて意識させるって作戦?
当て馬にされたと気付いた航は傷つく。
ひどい女だよ、奈緒子さん。



航の卒業式に再会する二人。
「カッコイイ」と言う奈緒子に航の返答。
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航は本当に奈緒子が好きだったんだな。
何か悲しいね。

奈緒子は航を寮へ連れ込む。
ガチガチに緊張した航を導く奈緒子。
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処女だったことに驚く航。
航が童貞だったことに奈緒子は驚く。

奈緒子が罪滅ぼしのために航に抱かれたことが分かる。
自分が奈緒子に愛されてはいないことを再確認させられる航。
泣く航。泣きそうな奈緒子

僕としては、本当にこれが罪滅ぼしだったのか疑問に感じる。
奈緒子はプライドが高く、自分が決めたことで自分を縛ってしまう方だ。
一度航を傷つけてしまった以上、もう付き合っていくことは出来ない。
罪滅ぼし、という言い訳をしなければ航に抱かれることも出来ない。
そういうことだったんじゃないだろうか。

【奈緒子】
「泣いたって、もう駄目だからね?
私たちは、もう…終わったんだよ?」




回想終わり。
デートの夜に二年前の夢を見て、起きて洗面所に行ったら奈緒子と遭遇。
奈緒子はいつも通り、或いは少しだけ昨日のデートを意識してからかってくる。

「まだ、さしたげるって、決めたわけじゃないんだからね?」
「決めそうなんだ…俺に、さしてくれるって…」

昨日のデートと二年目の夢とで、気持ちが鮮やかに蘇ってしまった航はちょっと手強い。
会長と副会長だと頭が上がらないけれど、奈緒子と航なら対等なわけで。



「サザンフィッシュ」でいつものように勉強する奈緒子。
航の姿が見えないことが気になる様子。
どうも、奈緒子も航を再度意識し始めているような。
女子大生と親しくしているとことを見て、腹を立てる辺りも。

携帯を見られて女子大生からのメールを削除される航。
航が遊び人になってしまったのには自分にも責任がある、なんてことを冗談っぽく言う奈緒子を、航は誓約違反だと指摘する。
第二条「他言無用。二人の間でもこの件には触れない」

わざわざ、昔の話をした奈緒子の真意は何なのだろう。
事件の後に出来上がった「安定した関係」ではないものを求めてるんだろうか。

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女遊びをやめるから、奈緒子も男に思わせぶりな態度を取るな。
航が攻める。いいねいいね、ドキドキするね。



有言実行ということで、航は合コンもパーティも全てキャンセル。
何でだよ、と雅文に問い詰められた航の一言。

「高嶺の花を手折るため…かな?」

どんだけきざなんだ、お前はwwwwカッコイイぞ、畜生。
ヒロインが一方的に主人公を好きになって、主人公がその気持ちを受け入れる、って流れじゃなくて、主人公の側もちゃんとアプローチをしていく感じが好き。

そして、奈緒子は奈緒子で航の言う通り、男からの誘いを断っている。
以前なら、取り敢えず食事くらいには行ってのらりくらりと躱していた相手をバッサリ。
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にやける航、照れる奈緒子。


給料日。
さらっと奈緒子を「奈緒子」と呼ぶ航。
それに対する奈緒子の反応を見て、隆史が気付く。

【奈緒子】
「ま、そういう結論に持って行きたがるのは
わかりますけど~。弟子思いの師匠だし~」
【隆史】
「本当に弟子思いなら、
反対するのが筋かもしんないけどな~」

チクっと刺す隆史。なるほど、こいつは知ってるのか。
奈緒子の表情の曇り方に、言い過ぎたことを悟る。



旅行で島を訪れた大学生の一団。
その中に、何とも人が良さそうで、頼りなさそうで、地味な感じの男が一人。
奈緒子と航、二年のブランクを越えて上手くやっていけそうだった所で現れる例の先輩。
本当の奈緒子の「タイプ」。

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分かってはいたけれど、こういう波乱になりますよね。
航と奈緒子が過去の因縁を断ち切るためには、彼との再会という事件が必要不可欠だ。



翌日。
デートの待ち合わせ場所に現れない奈緒子。
航が待つこと1時間半。
久しぶりに寮に顔を出しにきたヒロ先輩こと辻崎。
何かと恐縮し、何かと気を使い、とても良い人なのが分かる。
そして、辻崎と話す中で奈緒子と彼がとても親しかったことが分かる。

辻崎は何も悪くない。航は分かっているけど、絶対に好きになれない。
辻崎は何も知らない。当て馬事件の記憶から、航と奈緒子が付き合っていると思い込んでいる。




回想。二年前。
当て馬にされた直後のこと。
奈緒子の謝罪。辻崎が好きだという話をされる。
惚れた女が、惚れられていると知っていながら、別の男が好きだという話をするんだ。
こんなにつらいこともない。

その夢を見て、目覚める航。
辻崎はその頃、星を見ていて、奈緒子は辻崎のところへ。



またまた夢で回想。二年前。
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つぐみ寮に入った航は、卒業して以来となる奈緒子の部屋へ連れ込まれる。
奈緒子は島を出ると思っていた航。航は島を出ると思っていた奈緒子。
だから、処女を捧げて罪滅ぼしなんてことにもなってしまったわけで。
勘違いが重なって、不幸な遭遇。
たった一ヶ月で、随分とやさぐれた性格になっている奈緒子。
内弁慶の中に航も含まれるようになってきたということか。

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奈緒子を許そうとする航を奈緒子は許さない。
五ヶ条の誓約を交わす二人。

第一条「もう二人はセックスしない」
第二条「例のことは他言しない。二人の間でも話に出さない」
第三条「悪いと思っても、相手が悪いと認めないなら謝らない」
第四条「奈緒子をさん付け、役職、先輩とかで呼ぶこと」
第五条「この責任は奈緒子にある。航は責任を感じないこと」



翌朝
合コンに行かない、と奈緒子への操を立て続ける航に師匠の一言。
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隆史は奈緒子のこと許してないんだろうなぁ。
まぁ、当然か、自分の大事な弟分を弄んだわけだから。

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そんな話をしているところに戻ってくる二人。最悪なタイミング。


奈緒子が戻らない四日目の夜。
星を見ながらギターを弾く航、寄り添う海己。
航が振られたのは三度目。一度目は海己で二度目と三度目は奈緒子。
一度目については、色々事情があったらしいことが匂わされた。なんだかなぁ。

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航を応援しながら、その一方で
遠回しに、海己を航が諦めたから届かなかったんだ、と言っている。

やはり諦めない航。
隆史から辻崎と奈緒子のいるところへ行ってみろ、と言われる。



奈緒子は、辻崎に、航のことを話していた。
第二条「他言無用」のルールを破って、何から何まで。
奈緒子は、簡単に自分を許させるつもりはなかったし、
自分からルールを破って、航の胸に飛び込むつもりもなかった。
ただ、航を待った。

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奈緒子は自覚的ではなかったけれど、やはり航に惹かれていたから抱かれたんだな。
引け目を持ちながら航と付き合うことなど出来ない奈緒子にとって、選ぶことが出来る道は「惚れた男の中に思い出として残ること」だったわけで、この辺の思考回路は、大介を傷付けて記憶に残ろうとする「ショコラ」の香奈子に似ているかもしれない。

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辻崎と奈緒子の間に、何もなかった、それどころかマイナスの感情があったかのように、辻崎から航に言って欲しいという奈緒子のお願い。
酷い嘘をついたことがある奈緒子は、自分の言葉で航を信用させる自信がない。

【辻崎】
「嘘をついて、彼を失ったことがあるのに、
嘘をついて、彼を取り戻そうとするのか、君は?」
「なぁ、本当に、こんな浅倉でいいのか?
…星野くん」

聞いていた航、奈緒子の無礼を詫びる。
人の代わりに謝るのは、その人と自分とが特別な関係だと宣言することに他ならない。
これは、丸戸史明のゲームで度々出てくる法則みたいなものだ。

【航】
「こんなヤな女ですけど…
 俺、このひとのこと、大好きですからっ!」


カッコイイぞ、航!!


膝枕の状態で子供のように拗ねる航。
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何せ、今の彼は奈緒子のことが好きで堪らなかった子供の時に戻っているから。
奈緒子も同じように航のことが好きだけれど、それを信じさせる言葉がない。
だから、代わりに行動で示す。

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奈緒子は、素直に甘えることが出来ない。
求められて、欲しがられて、許す形じゃないと納得出来ない。
その、必死なプライドが愛しい。

「副会長、大好き」

航に好きというのは、奈緒子にとってまだ恥ずかしいらしい。
それが分かって、航の中にまた愛しさが募る。



明青大の推薦を受ける奈緒子。
八橋大でも行けるはずだ、と教師に言われた奈緒子の内心がこちら。
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なるほどねwww

奈緒子は航に翼を授ける。
つぐみ寮から、島から巣立つための翼。
どこへ飛ぶかは航次第だと奈緒子は考えている。
ただ、自分のところへ戻ってくるように、それとなく(?)誘導をしているだけで。

新五条
第一条「二人のセックスは時と場合によらずNOはない」
第二条「他言無用。二人の間でも話題に出すな」
第三条「悪くても優位性が崩れるなら謝らなくてもいい」
悪くても、奈緒子の優位が危ういなら謝らないってことねww
第四条「二人きりの時しか奈緒子って呼び捨てたらダメ」
第五条「この誓約はいつでも有効。離れても、喧嘩しても、好きな気持ちを思い出すこと」

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童貞でなくなったのも処女でなくなったのも同じタイミングだったけれど、その後の二年間で積んできた経験が違ったわけで、奈緒子は航に追いつくべく、航を自分の虜にするべく、必死の努力を重ねた。
ま、その結果がこれなわけですがwww

エピローグ。
東京に出てきた航。
携帯電話で奈緒子から指示を受け、奈緒子のアパートの前に辿り着く。
奈緒子には不似合いな、随分とボロボロのアパート。

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ドアが開く。
奈緒子から授けられた翼で島から飛び立ち、奈緒子の所へと飛んできた航。
航を待っていた奈緒子。

ボロアパートを選んだのにも、ちゃんと理由がある。
「つぐみ荘」って言うんだってさ。なるほどねぇ。




丸戸史明が得意分野を出せた話だったと思います。
黒スト、年上、昔の因縁がある女。
シナリオも丸戸らしい感じで楽しめました。

惜しむらくは、回想シーンがちょっと順序や流れの把握がしにくい形で出てくるのがねぇ。
勿論、ちゃんと分かるんだけど、もうちょっとスムーズに分かった方が集中してやれるかなぁ、と。

今日はここまで!!